2008年8月30日土曜日

少年犯罪と少年院法

少年が犯罪を犯せば、多くの場合、少年院に送られる。その少年院は少年法によって、規定・運営されている。

少年院法の中で、重要と思われる部分を見てみよう。

少 年 院 法

第1条 
少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された者及び少年法(昭和23年法律第168号)第56条第3項の規定により少年院において刑の執行を受ける者(以下「少年院収容受刑者」という。)を収容し、これに矯正教育を授ける施設とする。 

ここで重要なのは、矯正教育を授ける施設だということだ。つまり、教育(道徳教育も含め)が主だと考えられる。

第4条
① 少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、その自覚に訴え紀律ある生活のもとに、左に掲げる教料並びに職業の補導、適当な訓練及び医療を授けるものとする。
1 少年院においては、小学校及び中学校で必要とする教科
2 中等少年院及び特別少年院においては、初等少年院で必要とする教科、更に必要があれば、高等学校、大学又は高等専門学校に準ずる教科
3 医療少年院においては、養護学校その他の特殊教育を行う学校で必要とする教料   

② 少年院の長は、在院者を、前項の矯正教育に関係のない労働に従事させてはならない。

ここで見るとおり、少年院では学校教育が行なわれ、労働に従事させることは、原則、禁止となっている。

2008年8月29日金曜日

更正への努力

警察白書によれば、少年犯罪は去年まで4年連続で減少している。その一方で母親を殺害するなど、凶悪犯罪も目立つとのことで、二極化の兆候があるのだろうか。
なんにせよ、犯罪件数が減っているのは、喜ばしい。

さて、少年犯罪の更正というのは大変に重要な命題だが、大阪でも、その努力が行なわれている。

以下、産経新聞から。
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初犯の触法少年に更生うながす 大阪府警の取り組み

14歳未満の触法少年の補導人数が26年連続で全国最多の大阪府で、臨床心理士の資格を持つ警察職員らが初犯の少年や保護者に面談し、再非行を防ぐ試みが始まっている。 大阪府では今年上半期も非行少年に占める触法少年の割合が25%と全国平均の15・9%を大きく上回るなど非行問題は深刻化。府警は家庭や学校での過ごし方、悩みなどを聞き取って更生を促しているが、約3分の1の家庭が「仕事が忙しい」などと面談を拒否するなど「親の無関心」が浮き彫りになっているという。 この制度は、府警が1月から独自に始めた「初犯触法少年に対する再非行防止対策」。 万引や自転車盗など軽微な触法行為で初めて補導された14歳未満の少年に、府内10カ所にある府少年サポートセンターの警察官や警察職員が保護者の了解を得て面談している。 大阪では触法少年の補導人数が昭和57年以降26年連続で全国最多。昨年1年間に刑法犯で検挙・補導された触法少年は2504人に上った。 今年上半期は非行少年に占める触法少年の割合が25%(全国平均15・9%)に達し、特に中学生は全体の約半数の49・7%を占め、この年代に対する非行防止策が急務となっている。 臨床心理士らによる面談は2カ月に1度を目安に実施。各家庭の事情や希望に応じ、少年と保護者をセンターに招いたり、臨床心理士らが家庭や学校に出向いて行う。 7月までに約300人と面談したが、「仕事で忙しい」などと面談を拒否する保護者が全体の3分の1に上った。一方で面談を許可する保護者の中にも「子供と話をしておいて」と任せっぱなしにするケースもあった。 府警幹部は「昔は子供が悪さをすれば親が飛んできてしかりつけたものだが、今は家庭でしつけができていない。『親の無関心』は少年非行の大きな要因になっている」と話している。
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上記記事に見るとおり、非行少年の1/3の親は面談を拒否するとのことで、そもそもその無関心さが、非行の原因になっているのかもしれない。

少年非行から、社会の病状が見えてくる。

2008年8月28日木曜日

中国の少年犯罪

少年犯罪は、むろん日本だけの問題ではない。中国でも、少年犯罪は社会問題になっているという。
以下、ヤフーニュース(record china)から一部引用します。

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マフィアになる中学生、青少年の犯罪グループが激増―広東省広州市

2008年5月30日、広東省広州市で広州青少年犯罪研究会総会及び法による未成年保護及び犯罪予防シンポジウムが開催された。席上、同市で青少年の犯罪グループ形成が活発化していることが発表された。31日、南方都市報が伝えた。豪賢中学校によると、同校には「肆龍幇」「仟龍幇」「新東興幇」など複数の学生犯罪グループが活動しており、中学2年生を中心に全体の5%が加盟しているという。「肆龍幇」を例に挙げるとその構成員は28人。一人当たり30から80元(約450円から1200円)の会費を集め、マフィアに月1000元(約1万5000円)以上を上納しているが、そのためにかつあげ、窃盗、購買部での集団窃盗などの犯罪行為を行っている。

-略―

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さらに、香港では青少年の売春が問題になっているとのこと。

以下、レコードチャイナのwebから一部、引用します。

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青少年の買春犯罪件数が増加、最年少は14歳―香港

2007年10月30日、香港で青少年の買春行為で検挙されるケースが増えている。「人民網」が30日付で伝えた。 広東省の警察当局は香港「大公報」の取材に応じ、現在香港の買春犯罪には多様化、低年齢化の傾向が見られることを明らかにした。広東と香港の買春犯罪では、青少年の案件が大幅に増加し、中には名家の子息も検挙されており、最年少は14歳だという。

以下、略

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昔、共産国である中国には泥棒一人いない、と真面目に信じている人もいたが・・・
少年犯罪の問題は、国境を越えて、深刻だ。

2008年8月27日水曜日

浪速少年院の取り組み

浪速少年院では、少年の更生に、とても興味深い取り組みを行なっている。
以下、産経新聞から。

【償いの日々 浪速少年院ルポ】被害者の思いを知る

 犯罪被害者。この言葉を抜きに、現在の少年犯罪は語れない。 浪速少年院では、中間期教育の少年に対し、「被害者の視点を取り入れた教育」というテーマで計15回の授業を行う。 授業では、実際に起きた事件に基づくビデオを上映。2人組の強盗に息子を殺害された母親が「これほど人を憎いと思ったのは初めて。刺し違えてでも同じ思いを味わわせたい」と訴えた。 私語が許されない少年院は普段でも静かだ。だが、ビデオを見終わった少年たちには、「静寂」以上の重苦しい空気が立ちこめた。 「お母さんに対してどう感じましたか」。教官が質問した。1分、2分…。1人の少年が手をあげた。 「息子さんを奪われた苦しみは、計り知れないと感じました。今まで自分は、被害者の立場を人ごととしか考えていませんでした」 少年はゆっくりと発言した。

 以下、略。

 さて、この取り組みは、少年犯罪だけに限ることはない。刑務所でも、是非、実施していただきたい取り組みではないだろうか。

2008年8月24日日曜日

ネットで殺人予告、17歳少年を書類送致

ネットで殺人予告をした少年が書類送致された。

以下、産経新聞から。

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ネットで殺人予告、17歳少年を書類送致

 インターネットの掲示板に殺人予告の書き込みをしたとして、韮崎署は20日、甲斐市の県立高校男子生徒(17)を軽犯罪法違反(いたずらによる業務妨害)の非行事実で甲府家裁に書類送致した。 調べでは、男子生徒は今年2月と6月、携帯電話からインターネットの掲示板に知人の実名をあげて「死ね、死ね」「殺します」などと書き込み、県内12警察署の署員を特別警戒にあたらせて業務を妨害した疑い。男子生徒は今月6日に摘発され、「人間関係がうまくいかなかったので、うっぷんを晴らそうといたずらした」と非行事実を認めているという。
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これは、まあ少年犯罪といっても、馬鹿馬鹿しいものだが、「うっぷんを晴らす」こと自体は、決して馬鹿馬鹿しいことではない。社会生活には、うっぷんはつきものであり、それを晴らすことは、精神衛生上、とても大事だ。
さもなければ、心の傷・悩みは、深まるばかりで、個人も社会も病んでしまうこととなる。

問題は、うっぷんの晴らし方だ。
うっぷんの晴らし方を、学校や家庭は教育しているのか? うっぷんを我慢することしか、教育してはいないのではないだろうか?

うっぷんの晴らし方、その大切さ。…こんなところにも、ヒントがある。

2008年8月23日土曜日

「いじめて何が悪い」

知的障害者をいじめた少年が、「いじめて何が悪い」といっているとのこと。大変に興味深い心理だといえよう。
これはつまり、自分がしたことは悪ではない、ということで、悪でなければ善。善をしただけで、罰せられることではない、という主張となる。

以下、時事通信から。

知的障害者らに暴行、強盗=容疑で少年8人逮捕-「いじめて何が悪い」・警視庁

知的障害者の男性(21)らに暴行して現金を奪うなどしたとして、警視庁少年事件課などは22日までに、強盗や傷害容疑などで、東京都青梅市に住む無職少年(16)ら8人を逮捕した。8人は14~16歳で、事件当時13歳だった少年(14)を児童相談所に送致した。 知的障害のある高校1年の男子生徒(15)にも暴行しており、少年らは「自分たちより力の弱い相手を狙った」と供述。無職少年は「いじめて何が悪い」と話し、反省の様子を見せていないという。 

2008年8月22日金曜日

犯罪統計 -千葉県警

以下、千葉県警のwebから、犯罪統計だ。
この犯罪統計からも見て取れる通り、少年犯罪の割合はかなり高いものとなっている。

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刑法犯の検挙件数・人員(平成20年7月末(暫定値))
重要犯罪の状況:重要犯罪とは、殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐、強制わいせつの6罪種をいいます。
        前年比
認知件数 506件 42件
検挙件数 322件 34件
検挙人員 171人 -86人
うち少年 24人 -33人

●重要窃盗犯の状況:重要窃盗犯とは、侵入盗、自動車盗、ひったくり、すりの4手口をいいます。
       前年比
認知件数 10,241件 -987件
検挙件数 4,227件 -710件
検挙人員 302人 -87人
うち少年 61人 -19人

●全刑法犯の状況
         前年比
認知件数 57,385件 -2,998件
検挙件数 17,842件 -1,646件
検挙人員 9,479人 -128人
うち少年 2,617人 -153人

2008年8月21日木曜日

少年院

少年が犯罪を犯すと、少年院へ収容される。少年院と刑務所とは何が違うのだろうか?
以下、ウィキペディアから。

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少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された者を収容するための施設である(少年院法1条)。また、懲役や禁錮の言い渡しを受けた16歳に満たない者のうち、少年院での矯正教育が有効と認められたものを、16歳に達するまで収容することもできる(同法1条、少年法56条3項)。これを「少年院収容受刑者」という。法務省矯正局が管轄する(少年院法3条)。

少年院の種類
関東医療少年院(東京都府中市)少年院には次の4種類がある(同法2条1項~5項)。
初等少年院 心身に著しい故障のない、おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する。
中等少年院 心身に著しい故障のない、おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する。
特別少年院 心身に著しい故障はないが犯罪傾向の進んだ、おおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。ただし、16歳未満の少年院収容受刑者も収容できる。
医療少年院 心身に著しい故障のある、おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。 医療少年院を除けば、それぞれに男子と女子に別々の施設が設けられる(同条6項)。女子を収容する少年院は、正式名称ではないが女子少年院と呼ばれる。
矯正教育少年院は、収容者に矯正教育を授ける(同法1条)。少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、生活指導、教科(義務教育で必要な教科、必要があれば中等教育及び高等教育に準ずる教科)、職業補導、適当な訓練、医療を授けるものとされている(同法4条)。
担当のスタッフは、法務教官と呼ばれる。

以下略。

2008年8月20日水曜日

父親刺殺の15歳少女の動機

先日、父親を刺殺した少女の動機について、産経新聞が詳細を報じている。大変に興味深い。
この子どもの心理は、全く普通のものではないだろうか。
以下、産経新聞から関連部分を引用します。



「また怒られる…」父親刺殺の15歳少女“破滅願望”

8月16日産経新聞

 「人の顔色を見て生きるのに疲れた…」。父親を刺殺した埼玉県川口市の私立中学3年の長女(15)は犯行動機について固く口を閉ざしてきたが、ここにきてようやく胸の内を語り始めた。勉強や対人関係のストレスを抱えて行き詰まり、家族との心中を考えていたという長女。成績の低下を知られれば親に怒られる。親も自分も嫌な気分になる。そうなる前に一家無理心中を-と考えた長女。短絡的なのか、弱すぎるのか、事件を引き起こしたのは長女の「破滅願望」だった。■ようやく語られた「動機」 「お父さんが家族を殺す夢を見たから、殺そうと思った」  逮捕直後、長女の供述に埼玉県警の捜査員は困惑した。 犯行を思い立った時期について問われると、長女は「(犯行直前まで)部屋で寝ていて、目覚めたときに刺そうと思った」などと説明。動機が不明瞭な衝動的な犯行であることをにおわせた。 死亡した父親(46)は包丁で胸と額を刺され、肺に達する傷まであった。15歳の少女がやったとはとても思えないこの凄惨な事件。一部では“覚醒障害説”まで出るに至った。 「覚醒障害は寝ぼけている状態に近い。長女の不可解な言動を説明するには都合がいいが、今回の事件に当てはまる可能性は極めて低い。まずは長女と捜査員の“心の距離”を縮めることが先決だ」(捜査幹部) 長女の趣味であるカラオケやアニメの話をし、多感な年頃である長女の心をときほぐすことに腐心した捜査員。心を開いた長女が事件に至る経緯を語り始めたのは、逮捕から10日以上たったころだった。 「両親によく思われたい」 「人からどう見られているのか、とても気になる性格」 取り調べで長女は、こう自己分析をしてみせた。 「人の目が気になる性格」とは、「他人からよく見られたい」という願望が強いということだろう。長女は実際、親からよく思われたいと自分を縛り続け、それが不可能になったときに暴発したのだ。 長女は小さいころから、両親に言われたことは素直に従う子供だった。勉強はあまり好きではなかったが、「両親によく思われたい一心で、一生懸命勉強に打ち込んできたようだ」(捜査幹部)。 小学生から塾に通い、複数の私立中学を受験。だが、いずれも不合格。なんとか県内にある私立の中高一貫校に入学した。 入学直後の成績は学年上位で、「1年生は(成績が)そこそこだった」と長女。中学卒業レベルの英検3級を1年次で取得するなど、学業に取り組む姿勢も高かった。 長女は2年次の三者面談では、将来の夢を「薬剤師」と明言していた。父親は製薬会社に勤める会社員。薬剤師という夢もまた、「両親によく思われたい」からだったのだろうか。 明確な夢に向かって日々過ごしていた長女だが、2年生の終わりごろから数学の成績が落ち始めた。このことが、事件の遠因となった。 失望される前に「すべてを終わりにしたい」 「数学が苦手になったので、文系に進み、将来は国際的に飛び回る仕事がしたい」 長女は今年1月の面談の際、成績を理由に薬剤師の夢をあきらめかけていることを告げ、新たな夢を語った。 ハッパをかける意味で教頭が「死ぬ気で勉強しなさい」というと、長女ははっきりと答えた。 「はい、がんばります」 長女が本当に薬剤師の夢をあきらめ、新たな夢に向かって歩き始めていたのかは分からない。だが、成績の落ち込みが長女のストレスとなっていたことは間違いないだろう。 長女は、3年の中間試験でも思うような成績が出なかった。母親から注意を受けることも多くなり、イライラすることが増えた。 7月始めに行われた期末試験の結果も悪く、入学時は学年上位だった成績が中位にまで落ちた。さらに追い打ちを掛けるかのように、英会話は追試を受けなければならなくなった。 「成績を知られれば(また)怒られる…」 事件が起きた1月19日には保護者会が予定されていた。成績の低下を両親に知られるのは必至だった。 このとき長女の心を支配したのは、両親から叱責を受ける「恐怖」であり、それを避けるための自暴自棄のような「破滅願望」だったようだ。 「成績が分かって怒られれば、両親も自分も嫌な気持ちになる。その前に、家族全員を殺して、自分も死のう」 長女は保護者会の数週間前から、「すべてを終わりにしたい」と思うようになっていた。 他人の目が気になる長女にとって、両親から失望を受けることは耐えられなかったのだろうか。 父親刺殺の真相は「一番力が強いから」

以下、略。

2008年8月19日火曜日

「キレる」構造の研究

「キレる」構造の研究が行なわれるとのことだ。17億円もの予算をつけて研究するという。
少年の犯罪が減少することを期待したい。
以下、YAHOOのニュースサイトから一部を引用。

<対人関係>「キレる」構造を研究へ 文科省
8月19日2時31分配信 毎日新聞

 引きこもりや「キレる若者」など対人関係の不適応が問題化していることを受け、文部科学省は来年度から、人間の社会行動やコミュニケーションに関係する脳の機能や構造を特定する研究に乗り出す方針を固めた。脳のある部位の変化や個人的特徴が、行動などにどのような影響を与えるかを示す指標を作り、問題行動や社会性障害の予防や治療につなげることを目指す。 文科省や専門家によると、脳の生物学的な特徴と社会行動との関係は、動物では比較的解明が進んでいる。マウスでは、ある種の脳内物質を欠くと自閉的行動を示したり、攻撃性が高まることが分かってきたという。 人間については、脳の計測の難しさなどから心理学的な手法での研究が主だった。今回、文科省は動物での知見を網羅的に結集し、計測技術の開発も進め、人間の社会性を生み出す脳内メカニズムの解明を目指す。文科省がテーマを設定し公募で研究者を選ぶ。さらに、不眠症や摂食障害、うつの増加を踏まえ、ストレス耐性や睡眠リズムをつかさどる脳幹研究も強化する。 このため、今年度から5年計画で始めた脳科学研究戦略推進プログラムを拡充し、今年度の予算17億円から倍増以上の重点投資を計画している。・・・

2008年8月18日月曜日

保護司とは

犯罪を犯した人の更生保護を目的とするボランティアとして保護司がある。
罰するだけでは、更正は難しい。

以下、保護司とは―全国保護司連盟のwebから。

犯罪や非行をした人も,何らかの処分を受けた後は,社会の一員として,地域社会の中で生活を送ることになります。こういった人たちが,再び過ちを犯すことなく,早期に更生できるように手助けするとともに,犯罪・非行の予防を図る活動を,更生保護と呼んでいます。 これらの更生保護活動を管轄する国の機関は法務省であり,出先機関として,地方更生保護委員会及び保護観察所が設けられています。また,更生保護の活動は,それぞれの地域社会を舞台として実施されることから,多くの民間人が,これらの活動に協力しています。その役割の一端を担っているのが,保護司です。 保護司は,保護司法に基づき,法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員(実質的には,民間のボランティア)です。保護観察官(更生保護に関する専門的な知識に基づいて,保護観察の実施などに当たる国家公務員)と協力して,保護観察や犯罪予防活動に従事します。給与は支給されませんが,活動内容に応じて,一定の実費弁償金が支給されます。

2008年8月17日日曜日

おとなしい少年に殺意

普段、おとなしい少年が先生を刺し殺した。殺意があったと警察は考えている。
以下、中日新聞から。
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「殺すつもりで刺した」 愛知・知立の教諭刺傷

愛知県知立市の市立知立中学校で、部活動を指導していた神谷佳久教諭(34)が卒業生にナイフで刺された事件で、殺人未遂で逮捕されたフリーターの少年(18)が安城署の調べに対し「殺すつもりで刺した」と供述していることが分かった。神谷教諭が最初に刺された背中の傷は肺まで達する深さで、同署は少年に明確な殺意があったとみている。
 安城署によると、少年はこれまでの調べに、自らを対人恐怖症とし「世の中にうまく順応できなかった」と説明。その原因は中学2年当時の担任だった神谷教諭にあるとしている。
 取り調べの中で、神谷教諭を「神谷」と呼び捨てにすることもあり、同署は神谷教諭への個人的な恨みが殺意につながったとみて裏付けを進めている。
 少年は進学した高校を短期間で退学。引きこもり状態になった後、今月から始めたアルバイトがうまくいかなかった。
 少年はおとなしい印象で、取り調べには素直に応じているが、事件に対する反省の弁はないという。

愛するゆえに虐待?

愛するゆえに虐待する心理とは? 以下、愛と嘘、虐待の心理の絵本の解説から。

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愛は、とても大切です。でも…、その大切な愛を多くの人々が誤解しています。そして時に、愛への誤解は人を傷つけます。誤解が深刻化すれば虐待の原因、さらには戦争の原因へすら、つながるのです。
もし愛への誤解を放置し、愛の大切さばかりを強調すれば、―とても悲しい事ですが、当事者にとって愛はより危険なものとなってしまいます。
危険な愛が人を傷つける場合を例示してみましょう。
愛する我が子への幼児虐待、児童虐待。
夫が、愛する妻へ手を上げる家庭内暴力。
家族やヘルパーの手による高齢者への虐待。
愛する人を対象とした、ストーカー、サディズム、強姦、性的誘拐・監禁といった性犯罪、性的虐待、さらには快楽殺人。
さらに想像をたくましくすれば、少数民族や弱小国への差別、文化・価値観の押し付け、侵略。戦争。 ―そんな人類ベースの悲劇にすら、愛への誤解が(善悪の錯覚とも有機的に絡み合って)深く関わっていると、僕は考えています。
言うまでも無いことですが、誤解に基づく悲劇は、誤解を解く事で解決し、また防止することが出来ます。愛への誤解を原因とする様々な虐待も、その誤解を解く事で、抜本的な解決を図ることが出来るでしょう。そして、誤解を解く為には、誰をも憎む必要はなく、むろん、武力も権力も必要では有りません。気づきを社会へ、そして世界へ広げれば、それだけで十分なのです。
この絵本「愛と敵」は、そんな愛への誤解の一つを解くために執筆しました。

2008年8月16日土曜日

「無差別殺人犯」の「共通点と違い」

以下、産経新聞から。

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【衝撃事件の核心】“異常さ”乗り移った? 土浦から岡山に連鎖「無差別殺人犯」の「共通点と違い」

 変装して奇声を上げながら8人を次々と刺した24歳。電車待ちの男性を後ろから突き落とした18歳。若者による無差別殺人が茨城、岡山両県で相次いだ。おとなしい性格、人付き合いが下手、大学進学をあきらめながら職探しが進まない…。2人の共通点はいくつも見られる一方で、まったく異なる面も。24歳の“異常さ”が、“普通”でちょっと不幸な18歳に乗り移ったかのようにも見える。「殺すのは誰でもよかった」。ともにこう供述した若者2人は、なぜ通り魔に変わったのか-。

以下、続く。

2008年8月15日金曜日

少年非行情勢:刑法犯少年は2838人

埼玉の刑法犯(8506人)の約3分の1を少年が占めた。
以下、毎日新聞から。

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少年非行情勢:刑法犯少年は2838人 凶悪犯罪の検挙64人--県警 /埼玉

 県警少年課は13日、今年上半期(1~6月)の少年非行情勢を発表した。逮捕、補導された刑法犯少年は2838人(昨年同期比5%減)で、この時期の刑法犯(8506人)の約3分の1を少年が占めた。中学生の逮捕、補導は1225人と少年全体の43・2%を占め、全国平均(40・3%)を上回っている。
 県警少年課によると、深夜はいかいや喫煙など、非行防止を目的とした補導人数は3万2924人で、中学生(昨年同期比2・9%増)、有職少年(同1・1%増)が増加傾向にあった。刑法犯少年は昨年同期より149人減ったが、全国で6番目に多かった。凶悪犯罪(殺人・強盗・放火・強姦の非行事実)の検挙人数は64人と昨年同期より27人増えた。【浅野翔太郎】

丸亀の元少年の控訴審

強盗殺人の疑いで罪に問われた当時18歳の少年の控訴審判決があった。
酔っ払っていたからといって、少年だからといって、無期の判決は変わらなかった。
以下、朝日新聞から一部引用。

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丸亀市で06年11月、アルバイトの新聞配達をしていた同市の会社員秋山正三さん(当時64)を殺害し、所持金約4万2千円を奪ったなどとして強盗殺人の罪などに問われ一審・高松地裁で無期懲役の判決を受けた当時18歳で飲食店員だった元少年(20)=坂出市=に対する控訴審判決が11日、高松高裁であった。柴田秀樹裁判長は「犯行当時、酒に酔っていたとはいえ、確定的な殺意が認められる」として一審判決を支持し、元少年の控訴を棄却した。・・・

2008年8月14日木曜日

八戸母子殺害「少年は心身喪失」

朝日新聞より

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八戸母子殺害「少年は心身喪失」
2008年08月09日
■弁護側鑑定医、少年審判で指摘
 八戸市根城のアパートで1月、母子3人が殺害された事件で、殺人などの非行事実で家裁送致された長男の少年(18)の3回目の少年審判が8日、青森家裁(小川理佳裁判長)であった。この日は、弁護側が申請して家裁が実施した精神鑑定で、少年を鑑定した医師が尋問を受けた。関係者によると、鑑定医は鑑定結果について「犯行時、少年は心神喪失状態だった」として、少年に責任能力はなかったと指摘した。
 少年審判は非公開で午前10時に始まり、午後3時前に終了。少年と鑑定医のほか、裁判官3人、付添人(弁護人)2人、検察官2人、家裁の調査官5人が立ち会った。
 関係者によると、裁判官や検察官の質問に対し、鑑定医は脳波検査や心理テストの内容と結果を詳しく説明した。
 続く・・・