2009年4月22日水曜日

動機の無い殺人事件

犯罪心理に興味を持つものの立場からすると、動機が解明されていない殺人事件はとても気持ちが悪いもの。
動機を解明することは、その事件の意味を考え、再発防止をしていくためにも、何よりも大切なことと思う。

特に、動機が分からず、無罪を主張している人を死刑にしてしまえば、永遠に真実は分からない。もし、その人が真犯人なら、動機も永遠に分からない。なんともいえず、気持ちが悪いものではないか。

保険金詐欺。…これはとても綿密な犯罪だ。相当の自己コントロール、計画性、知識、知恵といったものが要求される。
一方で毒物カレー事件。これは新聞報道などからの個人的な印象だが、動機も見えず、得をする人も見えず。まるで子供のいたずらのように見える。
犯罪の質がまるで違う。

実際、子供の悪戯、…あたりが、真相だという可能性はないのだろうか?


------------4月21日毎日新聞-------

毒物カレー事件 林被告が弁護団通じメッセージ

和歌山市で98年に起きた毒物カレー事件で、最高裁判決後、大阪市の大阪拘置所で、拘置中の林真須美被告に面会した弁護団の小田幸児弁護士は、林被告が「いちるの望みを持っていたのに残念。再審で頑張るので、今日が新たなスタート」と語ったことを明らかにした。

小田弁護士によると、接見は20~30分間。「上告棄却でした」と告げると、林被告はまっすぐ小田弁護士を見つめたまま、残念そうに「自分は無実。なんで自分がこんな判決を受けなければいけないのか」と話した。「国に殺されたくない。あくまでも戦う」と再審への決意を示したが、被害者に向けた言葉はなかったという。【安高晋】

林被告が21日、弁護団を通じて出した「メッセージ」(抜粋)は次の通り。

 私は殺人の犯人ではありません。真犯人は別にいます。証拠がこんなにも薄弱にもかかわらず、どうして死刑にならなければならないのでしょうか。

 もうすぐ裁判員制度が始まりますが、同制度でも私は死刑になるのでしょうか。1男3女の母親としてえん罪を晴らすために渾身(こんしん)の努力をしていきたい。

2009年4月20日月曜日

薬物依存

依存症の心理には様々なものがある。薬物への依存もその一つだ。麻薬などは、特に依存症になりやすい。
依存症には、精神的依存と身体的依存の二つがあるということは、よく指摘されている。

この依存のために、禁断症状が発生し、その結果、麻薬中毒者は、麻薬を手にするためなら、何でもする―結果、犯罪まで犯してしまうこともあるという指摘がなされている。

麻薬は犯罪だが、また別の犯罪を 誘引するものともなるのだ。犯罪心理を考える上で、麻薬中毒、薬物依存は避けては通れない。

ヤフー百科事典の薬物依存の項を引用する。

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特定の薬物を常用している結果として習慣性、嗜癖(しへき)性を生ずるものを一括して依存性薬物といい、それらによっておこる精神的、身体的変化に伴う障害を薬物依存とよんでいる。

薬物依存には、〔1〕薬物の効果を欲求して摂取を抑えきれなくなる強迫的欲求を示す精神依存と、〔2〕薬物を摂取しなければ身体が正常に機能せず、薬物を中断すると離脱症状(禁断症状)が出現する身体依存、および〔3〕薬物の用量をしだいに増やさないと初めと同じ薬効が得られなくなる耐性を生ずる、といった三徴候がある。