和歌山県警で、非行防止教室という取り組みが行なわれている。少年事件の捜査員そのものが、先生となるのだ。
なんともユニークで、挑戦的な試みではないだろうか。
以下、引用します。
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和歌山県警 非行防止教室にベテラン捜査員を派遣
1月27日 産経新聞
集団で窃盗を繰り返すなど20歳未満の少年犯罪が後を絶たない中、和歌山県警少年課が小中学校で実施している非行防止教室「キッズサポートスクール」で、少年事件の捜査員が“先生”として子供たちを教える新たな取り組みが始まった。摘発された少年たちの言葉を交えた授業に、生徒らは真剣な表情で耳を傾けている。
「逮捕されて留置場に入ると、ほとんどの子が『もうしない』と話す」
紀の川市立貴志川中学校の1年生クラスで先月行われたスクール。県警少年課少年事件捜査係の男性捜査員(49)は教壇に立つと、罪を犯した20歳未満の少年が留置場で何を思うか、実際の経験を元に話した。
「集団で悪いことをするとき、誰かが『やめとこら』と言っていれば事件にならずに済んだはず」と、仲間の犯罪を止められる人間になってほしいと訴えた。
この日のスクールには、初めて同課のベテラン捜査員4人が参加。専門の指導員が4枚の紙芝居で、罪を犯すとどうなるか分かりやすく説明した後、捜査員が約10分間話した。出席した男子生徒は「刑事さんが来て緊張した。悪いことはあかんと改めて思った」と受け止め、担任の男性教諭は「話に説得力があり、生徒がとても集中して聴いていた」と話した。
同課は、平成15年から実施しているスクールが少年犯罪の抑止に一定の成果を上げているとみている。同課のまとめでは、20年に刑法犯で摘発された少年数は約925人で16年をピークに4年連続で減少した。
半面、刑法犯全体に占める少年の比率は約32%で全国(約27%)より高く都道府県別でワースト4。再犯率も約35%と全国(約31%)を上回り、ワースト8だった。
犯罪の種別では窃盗犯が約615人で最多。また、非行集団の摘発数は48件と近年は50件前後で推移し、集団での犯罪、非行が依然多い。昨年は和歌山北署が9月までに13~18歳の中高生ら14人を道交法違反(無免許運転)や窃盗などの容疑で摘発、田辺署も11月までに15~19歳の中高生ら20人を50件に及ぶ窃盗容疑で摘発するなど、オートバイ盗を中心に少年集団による窃盗や暴走行為などが各地で相次いだ。
非行を未然に防ぎ、少年犯罪を抑止するため、同課は少年事件が少ない時期にはスクールへ継続的に捜査員を参加させる方針だ。同課の崎山譲次席は「辛口な話も加え、硬軟織り交ぜた効果的な教室にしたい」と話している。
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