2008年12月10日水曜日

精神鑑定

被告人の責任能力を問うために、精神鑑定を行なうということがある。
これは、意味があるのだろうか?

精神鑑定人となるのは、学問の自殺ではないのかなあ?

責任能力、精神鑑定といったものの元には、ある前提が存在している。この前提そのものが、ファンタジーのような気がしてならないのだ。

致命的な勘違いがあるような。

いずれ、詳細を書くことが出来ればと思うけれど。

2008年11月17日月曜日

戦前の少年犯罪事例

少年犯罪データベースには色々な少年犯罪が記録されている。
戦前の少年犯罪をいくつかご紹介したが、下着ドロというものもあった。

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昭和2年(1927).3.7〔小学生(満11~12歳)が人妻の下着ドロ〕
 東京府豊多摩郡代々幡町(現渋谷区)で、小学生(13)が隣家の会社員の妻(35)に何度もラブレターを渡したり、干してある服を盗んで楽しんでいたので、この主婦が警察に届けを出した。
 同じ頃、小学生(12)が映画の影響を受け、「となりのおばさんはゲタ屋のおじさんと変です」という投書を警視庁に何度も出して捕まった。また、荏原郡大井町(現品川区)では13歳が映画の影響を受け幼女(8)をレイプして負傷させた。
(読売新聞の記事による)
。。。。。。。。。。。。

13歳というと、やや早いが、思春期にさしかかったころか。早熟な子の場合なら。ちょうど不安定な年齢なのだろう。
これについては、戦前も戦後も変わらないのかも知れない。

2008年10月13日月曜日

再び戦前の少年犯罪

同じ少年犯罪データベースから、戦前の少年犯罪をみてみよう。

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昭和2年(1927).2.19〔幼児(満3~4歳)が友人殺害〕
 東京府北豊島郡三河島町(現荒川区)の自宅前で、男子(5)が女の子(6)の頭を1.5メートルの竹棒で殴った。意識不明となり、運ばれた病院で死亡。友達同士で遊んでいたが、些細なことでケンカしたもの。市電乗務員の次男。
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 これは、子どもらしい犯罪といえる。些細なことで、喧嘩したら、死んでしまったというもの。5歳と6歳の喧嘩だ。これは、まあ、少年犯罪に違いはないが、むしろ、事故といえるようなものではないだろうか。

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昭和2年(1927).3.5〔19歳女子(満17~18歳)ら母子が父親殺人〕
 茨城県結城郡の自宅で、長女(19)、母親(37)、祖母(75)が父親(42)をナタで殺害、3.5に起訴された。長男(13)も取り調べを受けている。

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 比べると、上記は深刻な少年犯罪だ。いったい何があったのか? なんとも悲惨な事件ではないか。

2008年10月7日火曜日

戦前の少年犯罪を見る

同じく少年犯罪データベースから、戦前の少年犯罪を見てみよう。
叱られるかも知れないが、これはちょっと戦前っぽいというか、可愛らしいというか。
子供が死んでいるので、大変なことではあるけれど。チャンバラゴッコが原因というのだから、まあ、現代の陰湿ないじめとは、性格が違う犯罪ではないだろうか。

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昭和2年(1927).2.11〔小学生(満9~10歳)が槍で友人刺し殺す〕
 静岡県志太郡で、男子(11)が友人(11)の額をヤリで刺して殺害した。映画の影響から、家に代々伝わる本物のヤリを持ち出してチャンバラごっこをしていたもの。

2008年9月27日土曜日

戦前の少年犯罪

再び、少年犯罪データベース(http://kangaeru.s59.xrea.com/)から見てみよう。
このHPはなかなか面白い。

少年犯罪については、戦後の道徳教育の欠如を問題にする声もあるが、戦前から親を死亡させるといった事件があったことがわかる。
酒乱だというのだから、気の毒だけれど。

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昭和2年(1927).1.30〔中3(満17~18歳)が父親殴り殺す〕
 茨城県真壁郡の自宅で深夜1時、中学3年生(19)が病気で寝ている母親に卵を食べさせようとすると、小学校校長の父親(46)が酔って怒ったのでカッとして鉄瓶を額に投げつけ全身を殴って、2.6に死亡させた。病死したと届けたが、2.8に逮捕。母親も同じ小学校の教師だった。
 父親が酒乱という事情を考慮されて一審で執行猶予判決が出て確定する予定だったが、3.15に同じ村で少年が父親を殺害して、さらに6.11に隣村でも少年の父親殺しが起こって影響が憂慮されて控訴され懲役3~5年の不定期刑となった。

2008年9月26日金曜日

昔からある少年犯罪

少年犯罪データベースというwebによると、少年犯罪は、昔からあるようだ。戦前の犯罪として、以下のものが出ている。
満17歳の少年犯罪で、懲役13年というのは、戦前でも、厳罰があったことが伺える。僧侶がレイプというのも、どこかで聞いたような犯罪だ。

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昭和2年(1927).1.13〔17歳僧侶が幼女レイプ殺人〕
 香川県仲多度郡の寺で、僧侶(満17歳)が近所の女の子(9)を誘い込みレイプしようとしたが抵抗されたため首を絞めて頭を臼に打ち付け血だらけにして失神させてからレイプ、ヒモで絞殺して死体を近所の溝に捨て、1.16に逮捕された。小学生の時は成績優秀の模範生だったが、母親が死んでからグレ出し、窃盗で中学を中退、父親の跡を継ぐためよその寺で小僧になったが、長続きせず実家の寺に戻った。父親は法事のため家を空けることが多く、放任されていた。高松地裁は懲役13年の判決。

2008年9月25日木曜日

ゲームと少年犯罪

ゲームが少年犯罪を助長するということは有るのでしょうか? GTA4という世界でナンバーワン売り上げを誇るコンピューターゲームで、犯罪をしてしまったというニュースが、流れています。GTA4は、ニューヨークとそっくりの都会で、主人公が自動車を盗み、警察に追われるといった裏社会を描くゲームだそうで、若者に圧倒的な支持を得ているとか。
記事を読むと、本当にこのゲームの影響なのか、どうかよく分からないようでもありますが・・・
日本でも、このゲームの影響で、少年犯罪は起きるのでしょうか?
ゲームと少年犯罪、無関係ではないのでしょうが、逆に、抑制する方向に働くことだってあるでしょうし、どんな影響があるのか、考えるのは、難しいです。
面白いものを禁止するというのも、寂しい話ですし。。。

以下、インサイドの9月25日の記事です。

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『GTA4』に影響されて車に放火? フランスで13歳の少年が逮捕

またも『GTA4』(Grand Theft Auto4)に影響されたとする少年犯罪のニュースです。Daily Mailが報じるところによりますと、フランスで13歳の少年が車に放火。少年は3台の車に火を付けて捕まったのですが、警察に「GTA4の真似をしたくなってやった」と供述しているとのことです。Daily Mailは、少年が『GTA4:Liberty City』(原文ママ)のPC版をプレイした後、ガソリンで火を付けたと報道。警察スポークスマンの「こうしたエンターテイメントは一部の若者にネガティブな影響を及ぼしている」という発言を掲載しています。海外ゲームサイトgamepolitics.comでは、この報道に対し「GTA4のPC版は、フランスでは今年の11月21日まで発売されない」という突っ込みが入れられています。なお、『GTA4』のタイトルを『GTA4:Liberty City』と表記するのは稀な例で、筆者の手元にある北米版『GTA4』のパッケージにはそうした表記が見られないことも付け加えておきます。少年がプレイしたのは『GTA :Liberty City Stories』のフランス版なのか『GTA4』なのかは不明ですが、『GTA4』に影響されたとする少年犯罪はタイでも報告されており、果たしてゲームが本当に「ネガティブな影響を及ぼす」のかは慎重に議論される必要がありそうです。

2008年9月23日火曜日

少年犯罪と反抗期

少年犯罪で難しいのは、ちょうど思春期で独立心が育つ年代であること。
つまりは、反抗期の犯罪という、単純に言えば、側面があることだ。

子供が、ある年代で、親なり権威に反抗するのは、実に自然なことで、それがなければ、なかなか自立した大人にはなれない。

それまで子供として、親なり先生の言いなりになってきた子供が、自分で判断するようになるためには、権威の否定が必要なのだ。権威に対抗できる精神力とでもいうのだろうか。

それが法律という権威にたいしてまで、反抗するというのは、実に自然なこと。ごくごく自然な反抗が、犯罪にまでなってしまう。

ここに、細やかな教育が望まれるところ。

2008年9月22日月曜日

少年犯罪とイジメ

イジメ問題を見ていると、からかい・ひやかし、といったイジメもある。
からかい・ひやかし、というのはもちろんイジメではあるけれど、同時に、遊びでもありうる話。
実際、子供たちは遊んでいるつもりで、つい激しくなりすぎ、喧嘩になったり、イジメになったり。

イジメと、遊びのじゃれあいには、明確な境界線があるようでないようで。

イジメと少年犯罪といったことの間にも、もちろんはっきりとした境界線があるわけではない。イジメ自殺、イジメて殺すといったものもあるので、犯罪とイジメは、重なりうるのだ。

そうして思うと、遊びとも少年犯罪は重なるわけで、窃盗、万引きも、子供たちの度胸試しといった側面もあるのだ。むろん、これらは立派な犯罪だが。

つまり、遊びであり犯罪であるということも、存在する。
言葉で決め付けるのは、むしろ危険で、実態を見逃すことがあるようにも思うのだ。

2008年9月21日日曜日

少年犯罪と食物

食物と少年犯罪に相関関係はあるのだろうか?

マクロビオテックの料理教室に関する記事に、以下の一文が乗っていた。(9.12 伊勢志摩経済新聞)

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伊勢で大西さんの料理教室に通い、志摩での開催を望んでいた小林幸子さんは「青少年犯罪などを毎日ニュースで見る度に、食の乱れが原因の一つでは?と思い、マクロビオティックに興味を持ち習い始めた。それからすべてに感謝できるようになり、怒ることもなくなった」と話す。

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カルシウム不足は、イライラするという説もあり、食べ物が乱れれば、犯罪が増えるということも、あるのかも知れない。
カルシウム不足で、犯罪が起きては、犯罪の犠牲者も加害者も、たまらない。
こんなことで、少年犯罪が予防できれば、ありがたいことだ。

2008年9月18日木曜日

少年犯罪と万引き

万引きは、もちろん犯罪だ。
でも、少年少女の間で、それが度胸試しになっていたりすることがある。まさに少年犯罪だけれど、この度胸試しが、みながやっていることだったりすると、なかなかそれを拒否することも、その少年・少女の立場だと難しいこともある。
それこそ、万引きをしないと、突っぱねることで、イジメの対象になってしまうことがある。
そうなると、時には、命にすら関わってしまう。

万引きをいう少年犯罪をするのか、それとも、イジメの対象となって、恐ろしい目に会うことを覚悟するのか。

少年・少女にとっては、とても深刻な悩みとなるのだ。

2008年9月15日月曜日

少年犯罪を描く映画

少年犯罪を描く映画がある。「誰も守ってくれない」というタイトルだ。

シネマカフェのHPから引用すると、

ごく平凡な4人家族の船村一家の未成年の長男が、ある日突然、小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕された。東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は突如、その容疑者家族の保護を命じられる。彼に与えられた任務は、彼らをマスコミの目、そして世間の目から守ること。勝浦は、容疑者の妹・沙織(志田未来)を連れて逃避行に出るが、マスコミの容赦ない攻撃とネット上の掲示板の悪質な書き込みが2人を追い詰めていく…。傷つけられていく沙織を必死に守る勝浦だったが、彼もまた、過去に捜査していた事件である幼児を死なせてしまったことから心に深い傷を抱えていた。逃げ場を失う2人は、次第に傷ついた心と心を通わせるようになるが…。「踊る第走査線」チームが、容疑者家族の保護をテーマに描いた社会派ドラマ。
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少年犯罪に色々な社会問題を描いているようで、機会があったら見てみたいと思う。

2008年9月14日日曜日

非行と少年犯罪とサボり

知っている少年が、高校の授業が無い時間に、公演に散歩に行って、おまわりさんに補導された。
別に非行をしたわけではない。
高校生が公演を日中散歩していただけのこと。

おまわりさんに、こんな非行から、少年犯罪を犯して、人生をダメにする。今のうちに非行から立ち直れ、と説教されたとか。

結構、笑える話だけれど、このおまわりさんもほほえましい。
声をかけてくれる大人がいる。ちょっとというか、かなりそれがずれていても。それでも、声をかけてくれる大人がいるということは、ちょっと嬉しい。

2008年9月13日土曜日

フリーター少年を鑑定留置

先日、愛知の中学校で先生をさした少年の鑑定留置の記事があった。
以下、9月12日時事通信から。
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フリーター少年を鑑定留置=中学教諭刺傷-名古屋家裁支部

愛知県知立市の市立知立中学校で7月、神谷佳久教諭(35)が教え子にナイフで刺され重傷を負った事件で、名古屋家裁岡崎支部(成瀬大輔裁判官)は12日、殺人未遂などの非行事実で送致され、精神鑑定の実施を決めた同市のフリーターの少年(18)について、観護措置を取り消し、11月11日まで2カ月間、鑑定留置することを決めた。 
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ちなみに、これは7月の事件だ。
事件をご存知ない方のために、以下、7月29日の朝日新聞から。

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愛知の中学で元担任刺傷 18歳容疑者「うらみあった」

29日午後1時半ごろ、愛知県知立(ちりゅう)市広見2丁目の市立知立中学校で、吹奏楽部の練習を監督していた神谷佳久教諭(34)が校内に侵入してきた男に刺され、重傷を負った。約50人の吹奏楽部員にけがはなかった。駆けつけた安城署員が校内にいた同市のフリーターの少年(18)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。少年は同中学の卒業生で、動機について「かつての担任で、うらみがあった」と供述しているという。
 安城署によると、少年の逮捕容疑は、午後1時半ごろ、同校2階の被服室に押し入り、神谷さんの胸や背中、左腕などを刃渡り約13センチのペティナイフで刺した疑い。
 神谷さんは胸を2カ所、背中を1カ所刺されていたほか、左腕や左手の指を切られる重傷を負った。
 少年は05年3月に同校を卒業しており、神谷さんは少年が2年生のときの担任だった。少年は調べに対し、「厳しく指導されて対人恐怖症になった。高校中退後、勤めた会社でうまくいかなかったのはそのせいだ。復讐(ふくしゅう)するつもりでやった」と話しているという。
 少年は被服室に侵入すると、入り口に背を向けて座っていた神谷さんの背中を無言で刺したという。しばらくもみ合ったあと、神谷さんは別棟の職員室に逃げ込んだ。少年は1階に下りたところで別の教諭と出くわし、ナイフを捨てて逃走。校舎から中庭の渡り廊下に出たところで教諭らに取り囲まれ、その場に座り込んだという。直後に安城署員が駆けつけて現行犯逮捕した。少年は西側の門から校内に侵入したとみられる。
 居合わせた女子吹奏楽部員(14)は「刺した男は笑って手を振った」と証言した。被服室の外で、神谷さんを追いかける少年を目撃した別の女子ソフトボール部員(13)は、「ナイフのようなものを持ち、無言で少し笑ったような感じでゆっくり歩いていた」と話した。
 当時校内には、部活動の生徒約180人がいたという。

2008年9月12日金曜日

福島で少年が銃刀法違反

学校の中で包丁を生徒が所持していて、逮捕されるという事件があった。
・・・昔、ナイフを同級生が持っていたことがあった。当時は、別に学校の中だけの話で、警察沙汰などにはならなかったが。
ずいぶんと時代は変わったものだ。
きちんとしたというか、ゆとりがなくなったというのか、分からないけれど。

以下、9・12時事通信より。

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校内で刃物所持、高3逮捕=「気に入らない生徒いる」

 12日午後2時ごろ、福島県石川町の県立高校の校長から、「刃物のような物を持った生徒がいる」と通報があった。県警石川署員十数人が駆け付けたところ、同校3年の男子生徒(17)がかばんに刃渡り17センチの包丁1本を所持していたため、銃刀法違反の現行犯で逮捕した。 調べによると、この生徒が運動部の部室で包丁を手にしているのを部員が目撃。理由を聞いたところ、生徒は「気に食わない生徒がいる」と答えたという。 報告を受けた校長は石川署に直接通報。教頭らが全校生徒を体育館に避難させた。 

2008年9月10日水曜日

少年保護手続

少年保護手続についても見てみよう。

少年保護手続(しょうねんほごてつづき)とは、日本における刑事司法制度の一つであり、家庭裁判所が少年法第2章の規定に従って非行少年の性格の矯正及び環境の調整に関する措置(同法1条参照)を行う手続をいう。
少年保護手続は、おおむね、次の順序で進行する。すなわち、非行事実が家庭裁判所に送致・通告されると、家庭裁判所は、家庭裁判所調査官(以下「調査官」と略称する)等による調査の結果をふまえて審判を開き、非行少年に対して保護的措置を施したり、保護処分に付したりして、再非行の抑止を図るのである。

要するに、日本では家庭裁判所が少年法に基づいて、少年犯罪を犯した少年の更生を図る、というものだ。

2008年9月9日火曜日

少年事件の流れ

検察庁のHPに少年事件の流れが、出ている。とても参考になるので、引用してみよう。

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少年事件の流れ 少年とは,満20歳に満たない者を意味し,家庭裁判所の審判に付される少年は,(1)犯罪少年(満14歳以上で罪を犯した少年),(2)触法少年(満14歳未満で(1)に該当する行為を行った少年-満14歳未満の少年については刑事責任を問わない),(3)ぐ犯少年(保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど,その性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあると認められる少年)に区別されます。
 家庭裁判所は,犯罪少年のうち,死刑,懲役又は禁錮に当たる罪の事件について,調査の結果,その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは,検察官送致決定をします。 また,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件で,罪を犯したとき満16歳以上の少年については,原則として検察官送致決定をしなければなりません。
 その他の犯罪少年,触法少年,ぐ犯少年については,知事・児童相談所長送致(18歳未満に限る。),保護処分(保護観察,児童自立支援施設又は児童養護施設送致,少年院送致)の処分を受ける場合があります。
 なお,少年審判において,家庭裁判所が検察官を関与させる旨の決定をした場合で,少年に弁護士である付添人がないときは,家庭裁判所は,国選付添人を付さなければならないことになっています。

 以上、あとは略しますが、検察庁の上記HPには、図式して、説明しているので、ご参照ください。

2008年9月7日日曜日

山梨の少年犯罪統計

山梨県の少年犯罪統計によると、県内での少年犯罪は低年齢化している。
以下、毎日新聞から。

少年犯罪:前年比15%増 低年齢化、14歳未満は25%増-今年上半期 /山梨

今年上半期(1~6月)の刑法犯少年の検挙・補導人数が前年同期比で約15%増え、340人に上っていることが県警の調べで分かった。少年の検挙数は減少傾向にあったが、3期ぶりに増加した。犯罪の低年齢化も目立ち、14歳未満の触法少年は75人と25%増えた。全刑法犯検挙人数の30・3%が少年だった。 県警少年課によると、万引きや自転車・オートバイ盗などの窃盗(215人)と、一度盗まれた物を自分の物にする占有離脱物横領(79人)で検挙された少年は、計294人(前年同期比26%増)と全体の86・4%に上った。中学生が37・1%(126人)、高校生が36・8%(125人)で、中高生が74%を占めた。これらの傾向は以前から続いているという。

以下、略

3期ぶりに増加したというのは、気になるが、特に大きな数字の変化はなく、ここから何かを読み取るというのは難しい。
同記事によれば、補導の強化をしているとのことで、事前に犯罪が防止されている傾向があるとのことだ。

補導の強化と犯罪傾向の相関関係というのは、どれだけ出ているのか、興味深いところだ。

2008年9月4日木曜日

矯正局

少年院、少年鑑別所などを見てきたが、それらを統括するのは、矯正局となる。

法務省の矯正局のトップには、こうある。

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矯正局は,矯正施設(刑務所,少年刑務所,拘置所,少年院,少年鑑別所及び婦人補導院)の保安警備,分類保護,作業,教育,鑑別、医療,衛生など被収容者に対する処遇が適正に行われるように指導,監督するとともに,最近の矯正思潮に沿った新しい処遇方法について調査研究を行っています。このほか,独立した組織として矯正研修所及び支所が設けられており,矯正職員に対する様々な研修が行われています。
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矯正局のHPには、少年鑑別所や少年院の説明もある。少年院についての記述を見てみよう。
まず次の記述がある。

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立ち直りつつある少年たち

 少年たちは,少年院での教育を通して,自らの問題を見つめ,改善して社会に戻っていきます。 二度と犯罪・非行を犯さないという決意を実現するためには,本人の努力のほかに,社会の人々の温かい心と 援助が不可欠です。 立ち直りつつある少年たちへの御理解と御支援をお願いします。

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立ち直りつつある、というのは何とも頼もしい限りではないだろうか。更正には社会のサポートが不可欠だというのも納得できる。

少年院については、次の説明がある。

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少年院は,家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し,社会不適応の原因を除去し, 健全な育成を図ることを目的として矯正教育を行う法務省所管の施設です。

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つまり、少年院は矯正のための教育施設であり、罰を与えることが主目的では決して無いといえるだろう。
教育については、次の通り、はっきりと謳っている。

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教育の方針とながれ
 少年院においては,在院者の特性及び教育上の必要性に応じた教育課程を編成しています。 その上で,入院してくる少年一人ひとりの個性や必要性に応じて,家庭裁判所や少年鑑別所の情報や 意見等を参考にして個別的処遇計画を作成し,きめ細かい教育を実施しています。

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実際、少年犯罪を犯した少年たちの更生は、簡単ではなく、きめ細かい教育が必須であることが推察される。

2008年9月3日水曜日

善悪の心理学

犯罪心理を考える場合、忘れてはならないのは、善悪の心理学だ
関連部分を引用してみよう。

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心理学と善悪

 心理学の世界で、「善悪の錯覚」なり、「善悪中毒」という言葉は、まだ必ずしも一般的とはいえません。  善悪という言葉自体が、倫理学なり宗教の範疇であって、心理学という学問には馴染まないという印象もあるかも知れません。
 しかしながら、倫理上の価値基準(=何が善で何が悪か)といった土俵を離れ、善悪という言葉・観念だけを純粋に取り上げてみると、その言葉・観念がいかに容易に錯覚の原因になるのか、という人間心理を観察することができます。 ―そして更に深く人の心を覗き込めば、その錯覚がどれほど危険なものかも観察することが出来るでしょう。
 善悪の錯覚は、個人の心の葛藤を生むだけではなく、何千年にもわたって人類という巨大な集合体の様々な悲劇―戦争、テロ、抑圧、殺人、犯罪、拷問、いじめ―などの、根本的な原因となってきたと考えることが出来るのです。

 人々が善悪が生む錯覚に気づき「善悪中毒」という心の病を克服しない限り、人類は永遠に争いを繰返すことでしょう。さらにいえば、「善悪」の強迫観念・錯覚を抜きにしては、犯罪心理学、犯罪予防心理学、葛藤や戦争の心理、さらには二重人格・多重人格といった異常心理についても、理解を深めることは大変に難しいのではないでしょうか。
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 実際、犯罪者を犯した少年でも、犯罪者でも、あるいは警察でも、その発想は、「犯罪を犯したお前が悪い」であるか、「俺を犯罪に追い込んだのは、社会が悪い。親が悪い」といったもので、必ず善悪がそこには、絡んでくるものだ。
 その善悪がどう作用してくるのか、その心理を見極めることは、少年に限らず犯罪心理を考える上で、きわめて重要なことと考えられる。
 

2008年9月1日月曜日

少年鑑別所

少年院について、さきほど見たが、少年鑑別所と少年院とは何が違うのだろう?
少年鑑別所は、まさに鑑別をする場所である。また少年非行、犯罪に関する相談窓口も設置されている。心理学の専門家などが相談にのってくれるとのことだ。

少年鑑別所というHPから引用しよう。

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少年鑑別所は,主として家庭裁判所から観護措置の決定によって送致された少年を最高8週間収容し,専門的な調査や診断を行う法務省所管の施設です。 昭和24年の少年法及び少年院法の施行により発足し,各都道府県庁所在地など,全国で52か所(分所1か所を含む。)に設置されています。

少年鑑別所では,少年たちが非行に走るようになった原因や,今後どうすれば健全な少年に立ち戻れるのかを,医学,心理学,社会学,教育学などの専門的知識や技術によって明らかにします。その結果は,鑑別結果通知書として家庭裁判所に送付され,審判や少年院,保護観察所での指導・援助に活用されます。

一般相談のご案内

 少年鑑別所では,地域社会の青少年の健全育成のため,少年本人のほか,子どもの問題でお悩みの保護者や学校の先生などの相談に応じています。 なお,心理相談の窓口は,少年鑑別所とは異なる名称を掲げているほか,相談室への出入口を特別に設けるなど,利用しやすい環境作りに努めています。
○ 相談内容
非行,いじめ,家庭内暴力,交友関係,引きこもり,しつけなどの相談に応じています。
○ 相談に応じる職員
大学や大学院で心理学等を学んだ臨床心理学等の専門家が,相談に応じています。
○ 相談の方法
相談内容に応じて,面接や電話によりカウンセリングや助言などを行うほか,心理検査等も行います。
相談は無料です。ただし,検査等を実施した場合には,検査用紙代等の実費をいただきます。
○ 相談の受付
一般的には,月曜日から金曜日(祝祭日を除く。)の午前8時半から午後5時ころまで相談を行っています。
お近くの少年鑑別所に直接来所されるか,電話で相談内容を御連絡ください。

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2008年8月30日土曜日

少年犯罪と少年院法

少年が犯罪を犯せば、多くの場合、少年院に送られる。その少年院は少年法によって、規定・運営されている。

少年院法の中で、重要と思われる部分を見てみよう。

少 年 院 法

第1条 
少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された者及び少年法(昭和23年法律第168号)第56条第3項の規定により少年院において刑の執行を受ける者(以下「少年院収容受刑者」という。)を収容し、これに矯正教育を授ける施設とする。 

ここで重要なのは、矯正教育を授ける施設だということだ。つまり、教育(道徳教育も含め)が主だと考えられる。

第4条
① 少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、その自覚に訴え紀律ある生活のもとに、左に掲げる教料並びに職業の補導、適当な訓練及び医療を授けるものとする。
1 少年院においては、小学校及び中学校で必要とする教科
2 中等少年院及び特別少年院においては、初等少年院で必要とする教科、更に必要があれば、高等学校、大学又は高等専門学校に準ずる教科
3 医療少年院においては、養護学校その他の特殊教育を行う学校で必要とする教料   

② 少年院の長は、在院者を、前項の矯正教育に関係のない労働に従事させてはならない。

ここで見るとおり、少年院では学校教育が行なわれ、労働に従事させることは、原則、禁止となっている。

2008年8月29日金曜日

更正への努力

警察白書によれば、少年犯罪は去年まで4年連続で減少している。その一方で母親を殺害するなど、凶悪犯罪も目立つとのことで、二極化の兆候があるのだろうか。
なんにせよ、犯罪件数が減っているのは、喜ばしい。

さて、少年犯罪の更正というのは大変に重要な命題だが、大阪でも、その努力が行なわれている。

以下、産経新聞から。
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初犯の触法少年に更生うながす 大阪府警の取り組み

14歳未満の触法少年の補導人数が26年連続で全国最多の大阪府で、臨床心理士の資格を持つ警察職員らが初犯の少年や保護者に面談し、再非行を防ぐ試みが始まっている。 大阪府では今年上半期も非行少年に占める触法少年の割合が25%と全国平均の15・9%を大きく上回るなど非行問題は深刻化。府警は家庭や学校での過ごし方、悩みなどを聞き取って更生を促しているが、約3分の1の家庭が「仕事が忙しい」などと面談を拒否するなど「親の無関心」が浮き彫りになっているという。 この制度は、府警が1月から独自に始めた「初犯触法少年に対する再非行防止対策」。 万引や自転車盗など軽微な触法行為で初めて補導された14歳未満の少年に、府内10カ所にある府少年サポートセンターの警察官や警察職員が保護者の了解を得て面談している。 大阪では触法少年の補導人数が昭和57年以降26年連続で全国最多。昨年1年間に刑法犯で検挙・補導された触法少年は2504人に上った。 今年上半期は非行少年に占める触法少年の割合が25%(全国平均15・9%)に達し、特に中学生は全体の約半数の49・7%を占め、この年代に対する非行防止策が急務となっている。 臨床心理士らによる面談は2カ月に1度を目安に実施。各家庭の事情や希望に応じ、少年と保護者をセンターに招いたり、臨床心理士らが家庭や学校に出向いて行う。 7月までに約300人と面談したが、「仕事で忙しい」などと面談を拒否する保護者が全体の3分の1に上った。一方で面談を許可する保護者の中にも「子供と話をしておいて」と任せっぱなしにするケースもあった。 府警幹部は「昔は子供が悪さをすれば親が飛んできてしかりつけたものだが、今は家庭でしつけができていない。『親の無関心』は少年非行の大きな要因になっている」と話している。
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上記記事に見るとおり、非行少年の1/3の親は面談を拒否するとのことで、そもそもその無関心さが、非行の原因になっているのかもしれない。

少年非行から、社会の病状が見えてくる。

2008年8月28日木曜日

中国の少年犯罪

少年犯罪は、むろん日本だけの問題ではない。中国でも、少年犯罪は社会問題になっているという。
以下、ヤフーニュース(record china)から一部引用します。

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マフィアになる中学生、青少年の犯罪グループが激増―広東省広州市

2008年5月30日、広東省広州市で広州青少年犯罪研究会総会及び法による未成年保護及び犯罪予防シンポジウムが開催された。席上、同市で青少年の犯罪グループ形成が活発化していることが発表された。31日、南方都市報が伝えた。豪賢中学校によると、同校には「肆龍幇」「仟龍幇」「新東興幇」など複数の学生犯罪グループが活動しており、中学2年生を中心に全体の5%が加盟しているという。「肆龍幇」を例に挙げるとその構成員は28人。一人当たり30から80元(約450円から1200円)の会費を集め、マフィアに月1000元(約1万5000円)以上を上納しているが、そのためにかつあげ、窃盗、購買部での集団窃盗などの犯罪行為を行っている。

-略―

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さらに、香港では青少年の売春が問題になっているとのこと。

以下、レコードチャイナのwebから一部、引用します。

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青少年の買春犯罪件数が増加、最年少は14歳―香港

2007年10月30日、香港で青少年の買春行為で検挙されるケースが増えている。「人民網」が30日付で伝えた。 広東省の警察当局は香港「大公報」の取材に応じ、現在香港の買春犯罪には多様化、低年齢化の傾向が見られることを明らかにした。広東と香港の買春犯罪では、青少年の案件が大幅に増加し、中には名家の子息も検挙されており、最年少は14歳だという。

以下、略

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昔、共産国である中国には泥棒一人いない、と真面目に信じている人もいたが・・・
少年犯罪の問題は、国境を越えて、深刻だ。

2008年8月27日水曜日

浪速少年院の取り組み

浪速少年院では、少年の更生に、とても興味深い取り組みを行なっている。
以下、産経新聞から。

【償いの日々 浪速少年院ルポ】被害者の思いを知る

 犯罪被害者。この言葉を抜きに、現在の少年犯罪は語れない。 浪速少年院では、中間期教育の少年に対し、「被害者の視点を取り入れた教育」というテーマで計15回の授業を行う。 授業では、実際に起きた事件に基づくビデオを上映。2人組の強盗に息子を殺害された母親が「これほど人を憎いと思ったのは初めて。刺し違えてでも同じ思いを味わわせたい」と訴えた。 私語が許されない少年院は普段でも静かだ。だが、ビデオを見終わった少年たちには、「静寂」以上の重苦しい空気が立ちこめた。 「お母さんに対してどう感じましたか」。教官が質問した。1分、2分…。1人の少年が手をあげた。 「息子さんを奪われた苦しみは、計り知れないと感じました。今まで自分は、被害者の立場を人ごととしか考えていませんでした」 少年はゆっくりと発言した。

 以下、略。

 さて、この取り組みは、少年犯罪だけに限ることはない。刑務所でも、是非、実施していただきたい取り組みではないだろうか。

2008年8月24日日曜日

ネットで殺人予告、17歳少年を書類送致

ネットで殺人予告をした少年が書類送致された。

以下、産経新聞から。

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ネットで殺人予告、17歳少年を書類送致

 インターネットの掲示板に殺人予告の書き込みをしたとして、韮崎署は20日、甲斐市の県立高校男子生徒(17)を軽犯罪法違反(いたずらによる業務妨害)の非行事実で甲府家裁に書類送致した。 調べでは、男子生徒は今年2月と6月、携帯電話からインターネットの掲示板に知人の実名をあげて「死ね、死ね」「殺します」などと書き込み、県内12警察署の署員を特別警戒にあたらせて業務を妨害した疑い。男子生徒は今月6日に摘発され、「人間関係がうまくいかなかったので、うっぷんを晴らそうといたずらした」と非行事実を認めているという。
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これは、まあ少年犯罪といっても、馬鹿馬鹿しいものだが、「うっぷんを晴らす」こと自体は、決して馬鹿馬鹿しいことではない。社会生活には、うっぷんはつきものであり、それを晴らすことは、精神衛生上、とても大事だ。
さもなければ、心の傷・悩みは、深まるばかりで、個人も社会も病んでしまうこととなる。

問題は、うっぷんの晴らし方だ。
うっぷんの晴らし方を、学校や家庭は教育しているのか? うっぷんを我慢することしか、教育してはいないのではないだろうか?

うっぷんの晴らし方、その大切さ。…こんなところにも、ヒントがある。

2008年8月23日土曜日

「いじめて何が悪い」

知的障害者をいじめた少年が、「いじめて何が悪い」といっているとのこと。大変に興味深い心理だといえよう。
これはつまり、自分がしたことは悪ではない、ということで、悪でなければ善。善をしただけで、罰せられることではない、という主張となる。

以下、時事通信から。

知的障害者らに暴行、強盗=容疑で少年8人逮捕-「いじめて何が悪い」・警視庁

知的障害者の男性(21)らに暴行して現金を奪うなどしたとして、警視庁少年事件課などは22日までに、強盗や傷害容疑などで、東京都青梅市に住む無職少年(16)ら8人を逮捕した。8人は14~16歳で、事件当時13歳だった少年(14)を児童相談所に送致した。 知的障害のある高校1年の男子生徒(15)にも暴行しており、少年らは「自分たちより力の弱い相手を狙った」と供述。無職少年は「いじめて何が悪い」と話し、反省の様子を見せていないという。 

2008年8月22日金曜日

犯罪統計 -千葉県警

以下、千葉県警のwebから、犯罪統計だ。
この犯罪統計からも見て取れる通り、少年犯罪の割合はかなり高いものとなっている。

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刑法犯の検挙件数・人員(平成20年7月末(暫定値))
重要犯罪の状況:重要犯罪とは、殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐、強制わいせつの6罪種をいいます。
        前年比
認知件数 506件 42件
検挙件数 322件 34件
検挙人員 171人 -86人
うち少年 24人 -33人

●重要窃盗犯の状況:重要窃盗犯とは、侵入盗、自動車盗、ひったくり、すりの4手口をいいます。
       前年比
認知件数 10,241件 -987件
検挙件数 4,227件 -710件
検挙人員 302人 -87人
うち少年 61人 -19人

●全刑法犯の状況
         前年比
認知件数 57,385件 -2,998件
検挙件数 17,842件 -1,646件
検挙人員 9,479人 -128人
うち少年 2,617人 -153人

2008年8月21日木曜日

少年院

少年が犯罪を犯すと、少年院へ収容される。少年院と刑務所とは何が違うのだろうか?
以下、ウィキペディアから。

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少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された者を収容するための施設である(少年院法1条)。また、懲役や禁錮の言い渡しを受けた16歳に満たない者のうち、少年院での矯正教育が有効と認められたものを、16歳に達するまで収容することもできる(同法1条、少年法56条3項)。これを「少年院収容受刑者」という。法務省矯正局が管轄する(少年院法3条)。

少年院の種類
関東医療少年院(東京都府中市)少年院には次の4種類がある(同法2条1項~5項)。
初等少年院 心身に著しい故障のない、おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する。
中等少年院 心身に著しい故障のない、おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する。
特別少年院 心身に著しい故障はないが犯罪傾向の進んだ、おおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。ただし、16歳未満の少年院収容受刑者も収容できる。
医療少年院 心身に著しい故障のある、おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。 医療少年院を除けば、それぞれに男子と女子に別々の施設が設けられる(同条6項)。女子を収容する少年院は、正式名称ではないが女子少年院と呼ばれる。
矯正教育少年院は、収容者に矯正教育を授ける(同法1条)。少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、生活指導、教科(義務教育で必要な教科、必要があれば中等教育及び高等教育に準ずる教科)、職業補導、適当な訓練、医療を授けるものとされている(同法4条)。
担当のスタッフは、法務教官と呼ばれる。

以下略。

2008年8月20日水曜日

父親刺殺の15歳少女の動機

先日、父親を刺殺した少女の動機について、産経新聞が詳細を報じている。大変に興味深い。
この子どもの心理は、全く普通のものではないだろうか。
以下、産経新聞から関連部分を引用します。



「また怒られる…」父親刺殺の15歳少女“破滅願望”

8月16日産経新聞

 「人の顔色を見て生きるのに疲れた…」。父親を刺殺した埼玉県川口市の私立中学3年の長女(15)は犯行動機について固く口を閉ざしてきたが、ここにきてようやく胸の内を語り始めた。勉強や対人関係のストレスを抱えて行き詰まり、家族との心中を考えていたという長女。成績の低下を知られれば親に怒られる。親も自分も嫌な気分になる。そうなる前に一家無理心中を-と考えた長女。短絡的なのか、弱すぎるのか、事件を引き起こしたのは長女の「破滅願望」だった。■ようやく語られた「動機」 「お父さんが家族を殺す夢を見たから、殺そうと思った」  逮捕直後、長女の供述に埼玉県警の捜査員は困惑した。 犯行を思い立った時期について問われると、長女は「(犯行直前まで)部屋で寝ていて、目覚めたときに刺そうと思った」などと説明。動機が不明瞭な衝動的な犯行であることをにおわせた。 死亡した父親(46)は包丁で胸と額を刺され、肺に達する傷まであった。15歳の少女がやったとはとても思えないこの凄惨な事件。一部では“覚醒障害説”まで出るに至った。 「覚醒障害は寝ぼけている状態に近い。長女の不可解な言動を説明するには都合がいいが、今回の事件に当てはまる可能性は極めて低い。まずは長女と捜査員の“心の距離”を縮めることが先決だ」(捜査幹部) 長女の趣味であるカラオケやアニメの話をし、多感な年頃である長女の心をときほぐすことに腐心した捜査員。心を開いた長女が事件に至る経緯を語り始めたのは、逮捕から10日以上たったころだった。 「両親によく思われたい」 「人からどう見られているのか、とても気になる性格」 取り調べで長女は、こう自己分析をしてみせた。 「人の目が気になる性格」とは、「他人からよく見られたい」という願望が強いということだろう。長女は実際、親からよく思われたいと自分を縛り続け、それが不可能になったときに暴発したのだ。 長女は小さいころから、両親に言われたことは素直に従う子供だった。勉強はあまり好きではなかったが、「両親によく思われたい一心で、一生懸命勉強に打ち込んできたようだ」(捜査幹部)。 小学生から塾に通い、複数の私立中学を受験。だが、いずれも不合格。なんとか県内にある私立の中高一貫校に入学した。 入学直後の成績は学年上位で、「1年生は(成績が)そこそこだった」と長女。中学卒業レベルの英検3級を1年次で取得するなど、学業に取り組む姿勢も高かった。 長女は2年次の三者面談では、将来の夢を「薬剤師」と明言していた。父親は製薬会社に勤める会社員。薬剤師という夢もまた、「両親によく思われたい」からだったのだろうか。 明確な夢に向かって日々過ごしていた長女だが、2年生の終わりごろから数学の成績が落ち始めた。このことが、事件の遠因となった。 失望される前に「すべてを終わりにしたい」 「数学が苦手になったので、文系に進み、将来は国際的に飛び回る仕事がしたい」 長女は今年1月の面談の際、成績を理由に薬剤師の夢をあきらめかけていることを告げ、新たな夢を語った。 ハッパをかける意味で教頭が「死ぬ気で勉強しなさい」というと、長女ははっきりと答えた。 「はい、がんばります」 長女が本当に薬剤師の夢をあきらめ、新たな夢に向かって歩き始めていたのかは分からない。だが、成績の落ち込みが長女のストレスとなっていたことは間違いないだろう。 長女は、3年の中間試験でも思うような成績が出なかった。母親から注意を受けることも多くなり、イライラすることが増えた。 7月始めに行われた期末試験の結果も悪く、入学時は学年上位だった成績が中位にまで落ちた。さらに追い打ちを掛けるかのように、英会話は追試を受けなければならなくなった。 「成績を知られれば(また)怒られる…」 事件が起きた1月19日には保護者会が予定されていた。成績の低下を両親に知られるのは必至だった。 このとき長女の心を支配したのは、両親から叱責を受ける「恐怖」であり、それを避けるための自暴自棄のような「破滅願望」だったようだ。 「成績が分かって怒られれば、両親も自分も嫌な気持ちになる。その前に、家族全員を殺して、自分も死のう」 長女は保護者会の数週間前から、「すべてを終わりにしたい」と思うようになっていた。 他人の目が気になる長女にとって、両親から失望を受けることは耐えられなかったのだろうか。 父親刺殺の真相は「一番力が強いから」

以下、略。

2008年8月19日火曜日

「キレる」構造の研究

「キレる」構造の研究が行なわれるとのことだ。17億円もの予算をつけて研究するという。
少年の犯罪が減少することを期待したい。
以下、YAHOOのニュースサイトから一部を引用。

<対人関係>「キレる」構造を研究へ 文科省
8月19日2時31分配信 毎日新聞

 引きこもりや「キレる若者」など対人関係の不適応が問題化していることを受け、文部科学省は来年度から、人間の社会行動やコミュニケーションに関係する脳の機能や構造を特定する研究に乗り出す方針を固めた。脳のある部位の変化や個人的特徴が、行動などにどのような影響を与えるかを示す指標を作り、問題行動や社会性障害の予防や治療につなげることを目指す。 文科省や専門家によると、脳の生物学的な特徴と社会行動との関係は、動物では比較的解明が進んでいる。マウスでは、ある種の脳内物質を欠くと自閉的行動を示したり、攻撃性が高まることが分かってきたという。 人間については、脳の計測の難しさなどから心理学的な手法での研究が主だった。今回、文科省は動物での知見を網羅的に結集し、計測技術の開発も進め、人間の社会性を生み出す脳内メカニズムの解明を目指す。文科省がテーマを設定し公募で研究者を選ぶ。さらに、不眠症や摂食障害、うつの増加を踏まえ、ストレス耐性や睡眠リズムをつかさどる脳幹研究も強化する。 このため、今年度から5年計画で始めた脳科学研究戦略推進プログラムを拡充し、今年度の予算17億円から倍増以上の重点投資を計画している。・・・

2008年8月18日月曜日

保護司とは

犯罪を犯した人の更生保護を目的とするボランティアとして保護司がある。
罰するだけでは、更正は難しい。

以下、保護司とは―全国保護司連盟のwebから。

犯罪や非行をした人も,何らかの処分を受けた後は,社会の一員として,地域社会の中で生活を送ることになります。こういった人たちが,再び過ちを犯すことなく,早期に更生できるように手助けするとともに,犯罪・非行の予防を図る活動を,更生保護と呼んでいます。 これらの更生保護活動を管轄する国の機関は法務省であり,出先機関として,地方更生保護委員会及び保護観察所が設けられています。また,更生保護の活動は,それぞれの地域社会を舞台として実施されることから,多くの民間人が,これらの活動に協力しています。その役割の一端を担っているのが,保護司です。 保護司は,保護司法に基づき,法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員(実質的には,民間のボランティア)です。保護観察官(更生保護に関する専門的な知識に基づいて,保護観察の実施などに当たる国家公務員)と協力して,保護観察や犯罪予防活動に従事します。給与は支給されませんが,活動内容に応じて,一定の実費弁償金が支給されます。

2008年8月17日日曜日

おとなしい少年に殺意

普段、おとなしい少年が先生を刺し殺した。殺意があったと警察は考えている。
以下、中日新聞から。
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「殺すつもりで刺した」 愛知・知立の教諭刺傷

愛知県知立市の市立知立中学校で、部活動を指導していた神谷佳久教諭(34)が卒業生にナイフで刺された事件で、殺人未遂で逮捕されたフリーターの少年(18)が安城署の調べに対し「殺すつもりで刺した」と供述していることが分かった。神谷教諭が最初に刺された背中の傷は肺まで達する深さで、同署は少年に明確な殺意があったとみている。
 安城署によると、少年はこれまでの調べに、自らを対人恐怖症とし「世の中にうまく順応できなかった」と説明。その原因は中学2年当時の担任だった神谷教諭にあるとしている。
 取り調べの中で、神谷教諭を「神谷」と呼び捨てにすることもあり、同署は神谷教諭への個人的な恨みが殺意につながったとみて裏付けを進めている。
 少年は進学した高校を短期間で退学。引きこもり状態になった後、今月から始めたアルバイトがうまくいかなかった。
 少年はおとなしい印象で、取り調べには素直に応じているが、事件に対する反省の弁はないという。

愛するゆえに虐待?

愛するゆえに虐待する心理とは? 以下、愛と嘘、虐待の心理の絵本の解説から。

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愛は、とても大切です。でも…、その大切な愛を多くの人々が誤解しています。そして時に、愛への誤解は人を傷つけます。誤解が深刻化すれば虐待の原因、さらには戦争の原因へすら、つながるのです。
もし愛への誤解を放置し、愛の大切さばかりを強調すれば、―とても悲しい事ですが、当事者にとって愛はより危険なものとなってしまいます。
危険な愛が人を傷つける場合を例示してみましょう。
愛する我が子への幼児虐待、児童虐待。
夫が、愛する妻へ手を上げる家庭内暴力。
家族やヘルパーの手による高齢者への虐待。
愛する人を対象とした、ストーカー、サディズム、強姦、性的誘拐・監禁といった性犯罪、性的虐待、さらには快楽殺人。
さらに想像をたくましくすれば、少数民族や弱小国への差別、文化・価値観の押し付け、侵略。戦争。 ―そんな人類ベースの悲劇にすら、愛への誤解が(善悪の錯覚とも有機的に絡み合って)深く関わっていると、僕は考えています。
言うまでも無いことですが、誤解に基づく悲劇は、誤解を解く事で解決し、また防止することが出来ます。愛への誤解を原因とする様々な虐待も、その誤解を解く事で、抜本的な解決を図ることが出来るでしょう。そして、誤解を解く為には、誰をも憎む必要はなく、むろん、武力も権力も必要では有りません。気づきを社会へ、そして世界へ広げれば、それだけで十分なのです。
この絵本「愛と敵」は、そんな愛への誤解の一つを解くために執筆しました。

2008年8月16日土曜日

「無差別殺人犯」の「共通点と違い」

以下、産経新聞から。

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【衝撃事件の核心】“異常さ”乗り移った? 土浦から岡山に連鎖「無差別殺人犯」の「共通点と違い」

 変装して奇声を上げながら8人を次々と刺した24歳。電車待ちの男性を後ろから突き落とした18歳。若者による無差別殺人が茨城、岡山両県で相次いだ。おとなしい性格、人付き合いが下手、大学進学をあきらめながら職探しが進まない…。2人の共通点はいくつも見られる一方で、まったく異なる面も。24歳の“異常さ”が、“普通”でちょっと不幸な18歳に乗り移ったかのようにも見える。「殺すのは誰でもよかった」。ともにこう供述した若者2人は、なぜ通り魔に変わったのか-。

以下、続く。

2008年8月15日金曜日

少年非行情勢:刑法犯少年は2838人

埼玉の刑法犯(8506人)の約3分の1を少年が占めた。
以下、毎日新聞から。

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少年非行情勢:刑法犯少年は2838人 凶悪犯罪の検挙64人--県警 /埼玉

 県警少年課は13日、今年上半期(1~6月)の少年非行情勢を発表した。逮捕、補導された刑法犯少年は2838人(昨年同期比5%減)で、この時期の刑法犯(8506人)の約3分の1を少年が占めた。中学生の逮捕、補導は1225人と少年全体の43・2%を占め、全国平均(40・3%)を上回っている。
 県警少年課によると、深夜はいかいや喫煙など、非行防止を目的とした補導人数は3万2924人で、中学生(昨年同期比2・9%増)、有職少年(同1・1%増)が増加傾向にあった。刑法犯少年は昨年同期より149人減ったが、全国で6番目に多かった。凶悪犯罪(殺人・強盗・放火・強姦の非行事実)の検挙人数は64人と昨年同期より27人増えた。【浅野翔太郎】

丸亀の元少年の控訴審

強盗殺人の疑いで罪に問われた当時18歳の少年の控訴審判決があった。
酔っ払っていたからといって、少年だからといって、無期の判決は変わらなかった。
以下、朝日新聞から一部引用。

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丸亀市で06年11月、アルバイトの新聞配達をしていた同市の会社員秋山正三さん(当時64)を殺害し、所持金約4万2千円を奪ったなどとして強盗殺人の罪などに問われ一審・高松地裁で無期懲役の判決を受けた当時18歳で飲食店員だった元少年(20)=坂出市=に対する控訴審判決が11日、高松高裁であった。柴田秀樹裁判長は「犯行当時、酒に酔っていたとはいえ、確定的な殺意が認められる」として一審判決を支持し、元少年の控訴を棄却した。・・・

2008年8月14日木曜日

八戸母子殺害「少年は心身喪失」

朝日新聞より

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八戸母子殺害「少年は心身喪失」
2008年08月09日
■弁護側鑑定医、少年審判で指摘
 八戸市根城のアパートで1月、母子3人が殺害された事件で、殺人などの非行事実で家裁送致された長男の少年(18)の3回目の少年審判が8日、青森家裁(小川理佳裁判長)であった。この日は、弁護側が申請して家裁が実施した精神鑑定で、少年を鑑定した医師が尋問を受けた。関係者によると、鑑定医は鑑定結果について「犯行時、少年は心神喪失状態だった」として、少年に責任能力はなかったと指摘した。
 少年審判は非公開で午前10時に始まり、午後3時前に終了。少年と鑑定医のほか、裁判官3人、付添人(弁護人)2人、検察官2人、家裁の調査官5人が立ち会った。
 関係者によると、裁判官や検察官の質問に対し、鑑定医は脳波検査や心理テストの内容と結果を詳しく説明した。
 続く・・・