2008年9月27日土曜日

戦前の少年犯罪

再び、少年犯罪データベース(http://kangaeru.s59.xrea.com/)から見てみよう。
このHPはなかなか面白い。

少年犯罪については、戦後の道徳教育の欠如を問題にする声もあるが、戦前から親を死亡させるといった事件があったことがわかる。
酒乱だというのだから、気の毒だけれど。

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昭和2年(1927).1.30〔中3(満17~18歳)が父親殴り殺す〕
 茨城県真壁郡の自宅で深夜1時、中学3年生(19)が病気で寝ている母親に卵を食べさせようとすると、小学校校長の父親(46)が酔って怒ったのでカッとして鉄瓶を額に投げつけ全身を殴って、2.6に死亡させた。病死したと届けたが、2.8に逮捕。母親も同じ小学校の教師だった。
 父親が酒乱という事情を考慮されて一審で執行猶予判決が出て確定する予定だったが、3.15に同じ村で少年が父親を殺害して、さらに6.11に隣村でも少年の父親殺しが起こって影響が憂慮されて控訴され懲役3~5年の不定期刑となった。

2008年9月26日金曜日

昔からある少年犯罪

少年犯罪データベースというwebによると、少年犯罪は、昔からあるようだ。戦前の犯罪として、以下のものが出ている。
満17歳の少年犯罪で、懲役13年というのは、戦前でも、厳罰があったことが伺える。僧侶がレイプというのも、どこかで聞いたような犯罪だ。

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昭和2年(1927).1.13〔17歳僧侶が幼女レイプ殺人〕
 香川県仲多度郡の寺で、僧侶(満17歳)が近所の女の子(9)を誘い込みレイプしようとしたが抵抗されたため首を絞めて頭を臼に打ち付け血だらけにして失神させてからレイプ、ヒモで絞殺して死体を近所の溝に捨て、1.16に逮捕された。小学生の時は成績優秀の模範生だったが、母親が死んでからグレ出し、窃盗で中学を中退、父親の跡を継ぐためよその寺で小僧になったが、長続きせず実家の寺に戻った。父親は法事のため家を空けることが多く、放任されていた。高松地裁は懲役13年の判決。

2008年9月25日木曜日

ゲームと少年犯罪

ゲームが少年犯罪を助長するということは有るのでしょうか? GTA4という世界でナンバーワン売り上げを誇るコンピューターゲームで、犯罪をしてしまったというニュースが、流れています。GTA4は、ニューヨークとそっくりの都会で、主人公が自動車を盗み、警察に追われるといった裏社会を描くゲームだそうで、若者に圧倒的な支持を得ているとか。
記事を読むと、本当にこのゲームの影響なのか、どうかよく分からないようでもありますが・・・
日本でも、このゲームの影響で、少年犯罪は起きるのでしょうか?
ゲームと少年犯罪、無関係ではないのでしょうが、逆に、抑制する方向に働くことだってあるでしょうし、どんな影響があるのか、考えるのは、難しいです。
面白いものを禁止するというのも、寂しい話ですし。。。

以下、インサイドの9月25日の記事です。

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『GTA4』に影響されて車に放火? フランスで13歳の少年が逮捕

またも『GTA4』(Grand Theft Auto4)に影響されたとする少年犯罪のニュースです。Daily Mailが報じるところによりますと、フランスで13歳の少年が車に放火。少年は3台の車に火を付けて捕まったのですが、警察に「GTA4の真似をしたくなってやった」と供述しているとのことです。Daily Mailは、少年が『GTA4:Liberty City』(原文ママ)のPC版をプレイした後、ガソリンで火を付けたと報道。警察スポークスマンの「こうしたエンターテイメントは一部の若者にネガティブな影響を及ぼしている」という発言を掲載しています。海外ゲームサイトgamepolitics.comでは、この報道に対し「GTA4のPC版は、フランスでは今年の11月21日まで発売されない」という突っ込みが入れられています。なお、『GTA4』のタイトルを『GTA4:Liberty City』と表記するのは稀な例で、筆者の手元にある北米版『GTA4』のパッケージにはそうした表記が見られないことも付け加えておきます。少年がプレイしたのは『GTA :Liberty City Stories』のフランス版なのか『GTA4』なのかは不明ですが、『GTA4』に影響されたとする少年犯罪はタイでも報告されており、果たしてゲームが本当に「ネガティブな影響を及ぼす」のかは慎重に議論される必要がありそうです。

2008年9月23日火曜日

少年犯罪と反抗期

少年犯罪で難しいのは、ちょうど思春期で独立心が育つ年代であること。
つまりは、反抗期の犯罪という、単純に言えば、側面があることだ。

子供が、ある年代で、親なり権威に反抗するのは、実に自然なことで、それがなければ、なかなか自立した大人にはなれない。

それまで子供として、親なり先生の言いなりになってきた子供が、自分で判断するようになるためには、権威の否定が必要なのだ。権威に対抗できる精神力とでもいうのだろうか。

それが法律という権威にたいしてまで、反抗するというのは、実に自然なこと。ごくごく自然な反抗が、犯罪にまでなってしまう。

ここに、細やかな教育が望まれるところ。

2008年9月22日月曜日

少年犯罪とイジメ

イジメ問題を見ていると、からかい・ひやかし、といったイジメもある。
からかい・ひやかし、というのはもちろんイジメではあるけれど、同時に、遊びでもありうる話。
実際、子供たちは遊んでいるつもりで、つい激しくなりすぎ、喧嘩になったり、イジメになったり。

イジメと、遊びのじゃれあいには、明確な境界線があるようでないようで。

イジメと少年犯罪といったことの間にも、もちろんはっきりとした境界線があるわけではない。イジメ自殺、イジメて殺すといったものもあるので、犯罪とイジメは、重なりうるのだ。

そうして思うと、遊びとも少年犯罪は重なるわけで、窃盗、万引きも、子供たちの度胸試しといった側面もあるのだ。むろん、これらは立派な犯罪だが。

つまり、遊びであり犯罪であるということも、存在する。
言葉で決め付けるのは、むしろ危険で、実態を見逃すことがあるようにも思うのだ。

2008年9月21日日曜日

少年犯罪と食物

食物と少年犯罪に相関関係はあるのだろうか?

マクロビオテックの料理教室に関する記事に、以下の一文が乗っていた。(9.12 伊勢志摩経済新聞)

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伊勢で大西さんの料理教室に通い、志摩での開催を望んでいた小林幸子さんは「青少年犯罪などを毎日ニュースで見る度に、食の乱れが原因の一つでは?と思い、マクロビオティックに興味を持ち習い始めた。それからすべてに感謝できるようになり、怒ることもなくなった」と話す。

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カルシウム不足は、イライラするという説もあり、食べ物が乱れれば、犯罪が増えるということも、あるのかも知れない。
カルシウム不足で、犯罪が起きては、犯罪の犠牲者も加害者も、たまらない。
こんなことで、少年犯罪が予防できれば、ありがたいことだ。

2008年9月18日木曜日

少年犯罪と万引き

万引きは、もちろん犯罪だ。
でも、少年少女の間で、それが度胸試しになっていたりすることがある。まさに少年犯罪だけれど、この度胸試しが、みながやっていることだったりすると、なかなかそれを拒否することも、その少年・少女の立場だと難しいこともある。
それこそ、万引きをしないと、突っぱねることで、イジメの対象になってしまうことがある。
そうなると、時には、命にすら関わってしまう。

万引きをいう少年犯罪をするのか、それとも、イジメの対象となって、恐ろしい目に会うことを覚悟するのか。

少年・少女にとっては、とても深刻な悩みとなるのだ。

2008年9月15日月曜日

少年犯罪を描く映画

少年犯罪を描く映画がある。「誰も守ってくれない」というタイトルだ。

シネマカフェのHPから引用すると、

ごく平凡な4人家族の船村一家の未成年の長男が、ある日突然、小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕された。東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は突如、その容疑者家族の保護を命じられる。彼に与えられた任務は、彼らをマスコミの目、そして世間の目から守ること。勝浦は、容疑者の妹・沙織(志田未来)を連れて逃避行に出るが、マスコミの容赦ない攻撃とネット上の掲示板の悪質な書き込みが2人を追い詰めていく…。傷つけられていく沙織を必死に守る勝浦だったが、彼もまた、過去に捜査していた事件である幼児を死なせてしまったことから心に深い傷を抱えていた。逃げ場を失う2人は、次第に傷ついた心と心を通わせるようになるが…。「踊る第走査線」チームが、容疑者家族の保護をテーマに描いた社会派ドラマ。
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少年犯罪に色々な社会問題を描いているようで、機会があったら見てみたいと思う。

2008年9月14日日曜日

非行と少年犯罪とサボり

知っている少年が、高校の授業が無い時間に、公演に散歩に行って、おまわりさんに補導された。
別に非行をしたわけではない。
高校生が公演を日中散歩していただけのこと。

おまわりさんに、こんな非行から、少年犯罪を犯して、人生をダメにする。今のうちに非行から立ち直れ、と説教されたとか。

結構、笑える話だけれど、このおまわりさんもほほえましい。
声をかけてくれる大人がいる。ちょっとというか、かなりそれがずれていても。それでも、声をかけてくれる大人がいるということは、ちょっと嬉しい。

2008年9月13日土曜日

フリーター少年を鑑定留置

先日、愛知の中学校で先生をさした少年の鑑定留置の記事があった。
以下、9月12日時事通信から。
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フリーター少年を鑑定留置=中学教諭刺傷-名古屋家裁支部

愛知県知立市の市立知立中学校で7月、神谷佳久教諭(35)が教え子にナイフで刺され重傷を負った事件で、名古屋家裁岡崎支部(成瀬大輔裁判官)は12日、殺人未遂などの非行事実で送致され、精神鑑定の実施を決めた同市のフリーターの少年(18)について、観護措置を取り消し、11月11日まで2カ月間、鑑定留置することを決めた。 
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ちなみに、これは7月の事件だ。
事件をご存知ない方のために、以下、7月29日の朝日新聞から。

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愛知の中学で元担任刺傷 18歳容疑者「うらみあった」

29日午後1時半ごろ、愛知県知立(ちりゅう)市広見2丁目の市立知立中学校で、吹奏楽部の練習を監督していた神谷佳久教諭(34)が校内に侵入してきた男に刺され、重傷を負った。約50人の吹奏楽部員にけがはなかった。駆けつけた安城署員が校内にいた同市のフリーターの少年(18)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。少年は同中学の卒業生で、動機について「かつての担任で、うらみがあった」と供述しているという。
 安城署によると、少年の逮捕容疑は、午後1時半ごろ、同校2階の被服室に押し入り、神谷さんの胸や背中、左腕などを刃渡り約13センチのペティナイフで刺した疑い。
 神谷さんは胸を2カ所、背中を1カ所刺されていたほか、左腕や左手の指を切られる重傷を負った。
 少年は05年3月に同校を卒業しており、神谷さんは少年が2年生のときの担任だった。少年は調べに対し、「厳しく指導されて対人恐怖症になった。高校中退後、勤めた会社でうまくいかなかったのはそのせいだ。復讐(ふくしゅう)するつもりでやった」と話しているという。
 少年は被服室に侵入すると、入り口に背を向けて座っていた神谷さんの背中を無言で刺したという。しばらくもみ合ったあと、神谷さんは別棟の職員室に逃げ込んだ。少年は1階に下りたところで別の教諭と出くわし、ナイフを捨てて逃走。校舎から中庭の渡り廊下に出たところで教諭らに取り囲まれ、その場に座り込んだという。直後に安城署員が駆けつけて現行犯逮捕した。少年は西側の門から校内に侵入したとみられる。
 居合わせた女子吹奏楽部員(14)は「刺した男は笑って手を振った」と証言した。被服室の外で、神谷さんを追いかける少年を目撃した別の女子ソフトボール部員(13)は、「ナイフのようなものを持ち、無言で少し笑ったような感じでゆっくり歩いていた」と話した。
 当時校内には、部活動の生徒約180人がいたという。

2008年9月12日金曜日

福島で少年が銃刀法違反

学校の中で包丁を生徒が所持していて、逮捕されるという事件があった。
・・・昔、ナイフを同級生が持っていたことがあった。当時は、別に学校の中だけの話で、警察沙汰などにはならなかったが。
ずいぶんと時代は変わったものだ。
きちんとしたというか、ゆとりがなくなったというのか、分からないけれど。

以下、9・12時事通信より。

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校内で刃物所持、高3逮捕=「気に入らない生徒いる」

 12日午後2時ごろ、福島県石川町の県立高校の校長から、「刃物のような物を持った生徒がいる」と通報があった。県警石川署員十数人が駆け付けたところ、同校3年の男子生徒(17)がかばんに刃渡り17センチの包丁1本を所持していたため、銃刀法違反の現行犯で逮捕した。 調べによると、この生徒が運動部の部室で包丁を手にしているのを部員が目撃。理由を聞いたところ、生徒は「気に食わない生徒がいる」と答えたという。 報告を受けた校長は石川署に直接通報。教頭らが全校生徒を体育館に避難させた。 

2008年9月10日水曜日

少年保護手続

少年保護手続についても見てみよう。

少年保護手続(しょうねんほごてつづき)とは、日本における刑事司法制度の一つであり、家庭裁判所が少年法第2章の規定に従って非行少年の性格の矯正及び環境の調整に関する措置(同法1条参照)を行う手続をいう。
少年保護手続は、おおむね、次の順序で進行する。すなわち、非行事実が家庭裁判所に送致・通告されると、家庭裁判所は、家庭裁判所調査官(以下「調査官」と略称する)等による調査の結果をふまえて審判を開き、非行少年に対して保護的措置を施したり、保護処分に付したりして、再非行の抑止を図るのである。

要するに、日本では家庭裁判所が少年法に基づいて、少年犯罪を犯した少年の更生を図る、というものだ。

2008年9月9日火曜日

少年事件の流れ

検察庁のHPに少年事件の流れが、出ている。とても参考になるので、引用してみよう。

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少年事件の流れ 少年とは,満20歳に満たない者を意味し,家庭裁判所の審判に付される少年は,(1)犯罪少年(満14歳以上で罪を犯した少年),(2)触法少年(満14歳未満で(1)に該当する行為を行った少年-満14歳未満の少年については刑事責任を問わない),(3)ぐ犯少年(保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど,その性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあると認められる少年)に区別されます。
 家庭裁判所は,犯罪少年のうち,死刑,懲役又は禁錮に当たる罪の事件について,調査の結果,その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは,検察官送致決定をします。 また,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件で,罪を犯したとき満16歳以上の少年については,原則として検察官送致決定をしなければなりません。
 その他の犯罪少年,触法少年,ぐ犯少年については,知事・児童相談所長送致(18歳未満に限る。),保護処分(保護観察,児童自立支援施設又は児童養護施設送致,少年院送致)の処分を受ける場合があります。
 なお,少年審判において,家庭裁判所が検察官を関与させる旨の決定をした場合で,少年に弁護士である付添人がないときは,家庭裁判所は,国選付添人を付さなければならないことになっています。

 以上、あとは略しますが、検察庁の上記HPには、図式して、説明しているので、ご参照ください。

2008年9月7日日曜日

山梨の少年犯罪統計

山梨県の少年犯罪統計によると、県内での少年犯罪は低年齢化している。
以下、毎日新聞から。

少年犯罪:前年比15%増 低年齢化、14歳未満は25%増-今年上半期 /山梨

今年上半期(1~6月)の刑法犯少年の検挙・補導人数が前年同期比で約15%増え、340人に上っていることが県警の調べで分かった。少年の検挙数は減少傾向にあったが、3期ぶりに増加した。犯罪の低年齢化も目立ち、14歳未満の触法少年は75人と25%増えた。全刑法犯検挙人数の30・3%が少年だった。 県警少年課によると、万引きや自転車・オートバイ盗などの窃盗(215人)と、一度盗まれた物を自分の物にする占有離脱物横領(79人)で検挙された少年は、計294人(前年同期比26%増)と全体の86・4%に上った。中学生が37・1%(126人)、高校生が36・8%(125人)で、中高生が74%を占めた。これらの傾向は以前から続いているという。

以下、略

3期ぶりに増加したというのは、気になるが、特に大きな数字の変化はなく、ここから何かを読み取るというのは難しい。
同記事によれば、補導の強化をしているとのことで、事前に犯罪が防止されている傾向があるとのことだ。

補導の強化と犯罪傾向の相関関係というのは、どれだけ出ているのか、興味深いところだ。

2008年9月4日木曜日

矯正局

少年院、少年鑑別所などを見てきたが、それらを統括するのは、矯正局となる。

法務省の矯正局のトップには、こうある。

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矯正局は,矯正施設(刑務所,少年刑務所,拘置所,少年院,少年鑑別所及び婦人補導院)の保安警備,分類保護,作業,教育,鑑別、医療,衛生など被収容者に対する処遇が適正に行われるように指導,監督するとともに,最近の矯正思潮に沿った新しい処遇方法について調査研究を行っています。このほか,独立した組織として矯正研修所及び支所が設けられており,矯正職員に対する様々な研修が行われています。
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矯正局のHPには、少年鑑別所や少年院の説明もある。少年院についての記述を見てみよう。
まず次の記述がある。

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立ち直りつつある少年たち

 少年たちは,少年院での教育を通して,自らの問題を見つめ,改善して社会に戻っていきます。 二度と犯罪・非行を犯さないという決意を実現するためには,本人の努力のほかに,社会の人々の温かい心と 援助が不可欠です。 立ち直りつつある少年たちへの御理解と御支援をお願いします。

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立ち直りつつある、というのは何とも頼もしい限りではないだろうか。更正には社会のサポートが不可欠だというのも納得できる。

少年院については、次の説明がある。

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少年院は,家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し,社会不適応の原因を除去し, 健全な育成を図ることを目的として矯正教育を行う法務省所管の施設です。

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つまり、少年院は矯正のための教育施設であり、罰を与えることが主目的では決して無いといえるだろう。
教育については、次の通り、はっきりと謳っている。

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教育の方針とながれ
 少年院においては,在院者の特性及び教育上の必要性に応じた教育課程を編成しています。 その上で,入院してくる少年一人ひとりの個性や必要性に応じて,家庭裁判所や少年鑑別所の情報や 意見等を参考にして個別的処遇計画を作成し,きめ細かい教育を実施しています。

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実際、少年犯罪を犯した少年たちの更生は、簡単ではなく、きめ細かい教育が必須であることが推察される。

2008年9月3日水曜日

善悪の心理学

犯罪心理を考える場合、忘れてはならないのは、善悪の心理学だ
関連部分を引用してみよう。

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心理学と善悪

 心理学の世界で、「善悪の錯覚」なり、「善悪中毒」という言葉は、まだ必ずしも一般的とはいえません。  善悪という言葉自体が、倫理学なり宗教の範疇であって、心理学という学問には馴染まないという印象もあるかも知れません。
 しかしながら、倫理上の価値基準(=何が善で何が悪か)といった土俵を離れ、善悪という言葉・観念だけを純粋に取り上げてみると、その言葉・観念がいかに容易に錯覚の原因になるのか、という人間心理を観察することができます。 ―そして更に深く人の心を覗き込めば、その錯覚がどれほど危険なものかも観察することが出来るでしょう。
 善悪の錯覚は、個人の心の葛藤を生むだけではなく、何千年にもわたって人類という巨大な集合体の様々な悲劇―戦争、テロ、抑圧、殺人、犯罪、拷問、いじめ―などの、根本的な原因となってきたと考えることが出来るのです。

 人々が善悪が生む錯覚に気づき「善悪中毒」という心の病を克服しない限り、人類は永遠に争いを繰返すことでしょう。さらにいえば、「善悪」の強迫観念・錯覚を抜きにしては、犯罪心理学、犯罪予防心理学、葛藤や戦争の心理、さらには二重人格・多重人格といった異常心理についても、理解を深めることは大変に難しいのではないでしょうか。
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 実際、犯罪者を犯した少年でも、犯罪者でも、あるいは警察でも、その発想は、「犯罪を犯したお前が悪い」であるか、「俺を犯罪に追い込んだのは、社会が悪い。親が悪い」といったもので、必ず善悪がそこには、絡んでくるものだ。
 その善悪がどう作用してくるのか、その心理を見極めることは、少年に限らず犯罪心理を考える上で、きわめて重要なことと考えられる。
 

2008年9月1日月曜日

少年鑑別所

少年院について、さきほど見たが、少年鑑別所と少年院とは何が違うのだろう?
少年鑑別所は、まさに鑑別をする場所である。また少年非行、犯罪に関する相談窓口も設置されている。心理学の専門家などが相談にのってくれるとのことだ。

少年鑑別所というHPから引用しよう。

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少年鑑別所は,主として家庭裁判所から観護措置の決定によって送致された少年を最高8週間収容し,専門的な調査や診断を行う法務省所管の施設です。 昭和24年の少年法及び少年院法の施行により発足し,各都道府県庁所在地など,全国で52か所(分所1か所を含む。)に設置されています。

少年鑑別所では,少年たちが非行に走るようになった原因や,今後どうすれば健全な少年に立ち戻れるのかを,医学,心理学,社会学,教育学などの専門的知識や技術によって明らかにします。その結果は,鑑別結果通知書として家庭裁判所に送付され,審判や少年院,保護観察所での指導・援助に活用されます。

一般相談のご案内

 少年鑑別所では,地域社会の青少年の健全育成のため,少年本人のほか,子どもの問題でお悩みの保護者や学校の先生などの相談に応じています。 なお,心理相談の窓口は,少年鑑別所とは異なる名称を掲げているほか,相談室への出入口を特別に設けるなど,利用しやすい環境作りに努めています。
○ 相談内容
非行,いじめ,家庭内暴力,交友関係,引きこもり,しつけなどの相談に応じています。
○ 相談に応じる職員
大学や大学院で心理学等を学んだ臨床心理学等の専門家が,相談に応じています。
○ 相談の方法
相談内容に応じて,面接や電話によりカウンセリングや助言などを行うほか,心理検査等も行います。
相談は無料です。ただし,検査等を実施した場合には,検査用紙代等の実費をいただきます。
○ 相談の受付
一般的には,月曜日から金曜日(祝祭日を除く。)の午前8時半から午後5時ころまで相談を行っています。
お近くの少年鑑別所に直接来所されるか,電話で相談内容を御連絡ください。

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